令和5年度の全国学力・学習状況調査の結果について報告がありましたが、大変厳しい評価となっています。特に、数学・算数、英語の平均正解率は全国・全道平均を大きく下回りました。
学力が全てではないという意見もありますが、子どもたちの未来、様々な可能性の扉を開くことのできる環境づくりは、地域社会の責任だと思いますし、学力向上への取り組みも重要な要素の一つです。
また、子育て支援を「選ばれるまち根室」の要素として位置付けるのであれば、学力の問題は大変重要な選択枝の一つではないでしょうか。現に、お子さんが中学生や高校生になるタイミングで、家族でこの地を離れる事例も多数見受けられます。
示された結果・地域の現状に対して、危機感をもって、地域全体で、学力向上対策に取り組む必要があるものと考えます。
子どもたちの可能性を最大限引き出すことのできる取り組み、育てる取り組みについて、「緊急事態宣言」をするくらのおもいを、市民にも示す等、市民と危機感を共有し、学力向上のための事業の展開、その予算の措置に努めるべきと考えますが、今回の全国学力・学習状況調査の評価分析も含め、今後の学力向上対策への取り組みについて、教育長のお考えをお伺います。
【教育長答弁】
・学力向上対策の取組についてでありますが、全国学力・学習状況調査の問題は、最低基準として示されている学習指導要領から出題されていることを踏まえれば、調査が実施される4月段階で、児童生徒が、まだ十分に習得できていない学習内容を明らかにし、学年末までにすべての児童生徒がその学習内容を身に付けられるよう、学習指導の改善に生かすことが重要である。
・4月段階での調査結果を全国・全道と比較し、一喜一憂することは、本調査の本来の趣旨に添わないものであると認識しているが、今年度の調査結果において9から13ポイント全国平均を下回っていることは、厳しく受け止めている。
・調査を分析した結果では、特に記述式の設問で無回答が多くなっており、どのように回答してよいか悩んでいるうちに、時間が足りなくなっている児童生徒が多いものと考えている。
・こうした状況を克服していくためには、教師のペースで進める一斉指導から脱却し、児童生徒が自分の学習の進め方を選択したり、自分のペースで進めたりすることができる学習へ転換していくことが必要である。
・根室市学力向上プロジェクトにおいては、市内教員のこうした状況を克服していくためには、教師のペースで進める一斉指導から脱却し、児童生徒が自分の学習の進め方を選択したり、自分のペースで進めたりすることができる学習へ転換していくことが必要である。
・根室市学力向上プロジェクトにおいては、市内教員の授業改善の意識が変容してきているほか、各学校を視察した際には、堂々と自分の考えを発言できる児童生徒が増えてきているなど、
これまで進めてきた学力向上の事業成果が徐々に表れてきいる。
・市独自の加配教員や支援員の配置を含めた事業をさらに継続していくことにより、学力向上に繋げていきたいと考えている。
インクルーシブ教育が進められている花咲港小学校
以下は、再質問用に準備した質問事項、私の考えをまとめた資料になります。質疑自体が一問一答で行いますので、市長や管理職の発言を受けて、その場で考えを述べてますので、詳しい質疑内容については、議事録(3か月後)を見て下さい。
再質問等のポイント
全国学力・学習状況調査は年度当初に行い児童生徒の学習内容の習得度を明らかにし、その年度末までに児童生徒が学習内容を身に付けるよう指導の改善に生かすこと重要であり、調査結果の全国・全道比較に一喜一憂することは調査の趣旨ではないとのお考えを否定はしません。
しかしながら、同じルールのもとでの4月時点の習得度が全国・全道平均から大きく下回っているという状況は事実ですので、そのことを根室市として取り組んでいる学力向上対策の結果としてどのような評価をすべきなのか、或いは、どの様な改善が必要なのかを考えなければなりませんし、現実を受け止めるとこから改善・改革はスタートするもと考えます。
① 記述式の設問で無回答が多かったとう評価ですが、その克服のために、主体的な学びへの転換を図ること、学力向上プロジェクトによる対話的な学びの効果もあがっており、学力向上の事業成果は徐々に表れてきているとの現状評価ですので、学力向上プロジェクトの取り組みの中身と取り組みの評価等について確認。
② 危機感を持って地域全体で、学力向上対策に取り組む必要があると壇上でも述べましたが、コミュニティスクールの取り組みも含め、地域の関わり方、参加の在り方についてどの様な手法を根室市としは想定されているのか。
※働き方改革の流れもありますので、先生方の負荷を軽減、地域でその負荷を支えていく取り組みが必要になってくると思います。
③ 根室市の学力向上対策の取り組みのテーマの一つとして「ICT機器を活用したいきいき授業」を目指すこととし、大型掲示装置の活用、一人一台タブレットの活用、遠隔授業・オンライン授業への取り組みが掲げられていますが、どの様な効果を期待されているのか、また、現状、実績をどの様に評価されているのか確認。
④ このまちで学び育った子どもたちが、このまちの未来のために、また、日本中、世界中にはばたいていくためにも、子どもたちの教育の充実、充実した学びの環境の提供は大変重要な課題であり、学校での学びの充実が大前提ではありますが、まちをあげて、市民参加で子供たちを育てる取り組みが、これからは、必要だと考えます。
学力向上への取り組みは大切ですし、評価基準ではなく、学びの目標チェックがだとする全国学力・学習状況調査の結果も、広く市民と情報共有をし、市民にも見える、市民も共に参加、関わる、学力向上対策に取り組んでいただきたい。
壇上でものべましたが、「緊急事態宣言」をするくらのおもいをもって学力向上対策に取り組むことが、必要だと考えます。
根室市の学力向上に向けた取り組み(ポイント)
1.新しい学習指導要領の考え方
時代に必要となる資質・能力(主体的な学び・対話的な学び・深い学び)
基礎的・基本的な知識・技術の習得
課題を解決するための思考力・判断力・表現力
主体的に学習に取り組む態度(学びに向かう姿勢・人間性等)
2.聞く力の育成、個に応じた細やかな指導体制
3.ICT機器を活用したいきいき授業
大型掲示装置の活用、一人一台タブレットの活用、遠隔授業・オンライン授業
4.特別支援教育の充実と推進
5.家庭・保護者・地域との連携
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