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執筆者の写真toshiharu honda

令和6年12月定例月議会一般質問/グランドデザインと駅周辺の再開発について

更新日:2024年12月19日

 公共施設グランドデザインについては、6月定例月議会において質疑をさせていただいておりますので、その点を踏まえ、また、10月の文教厚生常任委員会の行政視察で山形県酒田市の取り組みである、酒田市駅前エリアの官民連携による再開発事業のお話を伺い、当市のグランドデザイン推進の参考になるものと感じた点も多々ありましたので、この点も踏まえまして、今回、改め伺うものあります。


1.グランドデザインに基づく今後の公共施設整備について

 6月定例月議会では、グランドデザインの具現化について、まちの未来像を示す「総合計画」を着実に推進する中で、公共施設の配置のあり方については、グランドデザイン構想を総合計画に反映させ実効性を確保する方針であるとされ、また、公共施設等総合管理計画との連動性・整合性については、計画は、PDCAサイクルにより現状を多角的に分析、早めの対策を講じ、時代のニーズにアジャストさせることが重要とし、事業費の精査については、今後の検討課題とご答弁いただいております。

 新たな総合計画は現在策定中ではありますが、グランドデザインに掲げられた各公共施設の整備について、人経費、建築資材の高騰等建設コストが大幅に上がる中、実効性を保つためには、どの様な手順で事業を展開され、次世代に渡すべき「希望」とされるのか、また、時代のニーズにアジャストさせるのか、課題認識も含め、現時点におけるグランドデザインに基づく公共施設整備についての基本姿勢について、市長のお考えを伺います。


【市長答弁】

(公共施設グランドデザイン構想につい)

・本構想は、2045年には、根室市の人口が半減することが予測されることから、今後、人口減少・少子高齢化などの理由により「生活インフラの維持」、「子どもたちの教育環境」、「公共施設の維持管理・建替」などの状況に合わせた施設規模の見直しが不可欠。

・既存公共施設の活用や整備を通じて市民ニーズに適切に対応するため、将来を展望した施設の再配置の方針を示すものです。

・方針に臨む基本姿勢として、「コンパクトな中に豊かな暮らしがとけあう市街地」の実現を目指し、「集約型都市構造の形成」をキーワードに、公共施設の「集約化」、「統廃合」、「再配置」の三つの方針を掲げ、市民の暮らしを支えるために必要な公共施設を各地区のどこでどのように集約すべきかなど、大きな方向性を示しており、現在、こうした姿勢に基づき、政策調整を行っている。


(公共施設グランドデザイン構想に関し、事業展開の「手順」と「課題」について)

・本構想に掲げた内容は、個別具体の施設配置の在り方について、エリアの指定や集約化、整備の時期、施設の規模と機能など整備に当たっての基本的な方向性を概ね詳しく示しており、事業展開の指針となるものである。

・構想の具現化に向けては、これら指針の下、総合計画を始め、各行政分野における個別計画の推進を図る手順の中で、具体的かつ詳細な計画として事業化していく方針としている。

・既に、学校校舎や総合体育会館などは、基本計画等の取りまとめを進めており、順次、取り組みを進める。

・これらの取組みと同時に、必要性に応じて専門技術を有する事業者等を活用した、エリア毎の詳細な計画づくりや、より一層の概算事業費の精査を進めるよう検討を重ねているところである。

・これら構想の実行性を確保するうえで、専門技術職員の人員不足や建設資材の高騰、労務費の上昇等を起因とする更新費用の増嵩が懸念されるところであり、とりわけ財源確保が最も大きな課題と認識している。

・引き続き、各公共施設の利用状況の推移はもとより、市民ニーズや将来負担、財政状況などを念頭におき、時点修正を加えながら、着実な推進に努める方針である。



2.グランドデザイン推進と民間活力について

 グランドデザインには、コンパクトなまちづくり推進として、公共施設の配置に加え、民間起点の賑わいづくりが示されています。

 6月定例月議会では、その推進に民間活力が必要であり、マネジメント機能を果たす新たな組織が必要と意見を述べさせていただきましたが、現時点では新たな部署等の設置等の考えはないとのご答弁でした。

 今回、酒田市の駅前エリアの再開発事業の取り組みを視察し、官民連携によす事業推進、そのスピード感に驚き、改めて、民間活力を活かしたグランドデザイン推進が必要と感じております。

 是非、根室市の今後のグランドデザイン・公共施設整備に官民連携の先進事例を調査・検討され、根室市独自のマネジメント機能・組織の検討に取り組んでいただき、未来が見える、希望をつなぐ取り組みとしていただきたいと考えますが、市長の見解を伺います。


【市長答弁】

(公共施設グランドデザイン構想の推進と民間活力について)

・公共施設の再配置を目的とするグランドデザイン構想であるが、策定に当たった市民委員の皆さんと協議を重ねる中で、地域資源を活かした交流拠点づくりといった、民間起点に基づく取組みについても構想した。

・引き続き、これらの具現化にあたっては、民間活力を活かした取組みをはじめ、産学官連携や企業誘致の促進のほか、時には、全国各地にお住いの根室応援団・ふるさと納税者の皆さんの力添えも賜りながら、企画立案や資金面において投資等を喚起し、若者をはじめ、市民誰もが、まちの将来に希望を持ち、住み続けたいと思える地域づくりを進めたいと考えている。


( 公共施設グランドデザイン構想の推進に関し、「事例調査」の実施と「マネジメント部署」の設置について)

・根室市では、これまでも、政策の企画立案に資する先行事例について視察や文献収集などを通じて調査・研究を行っており、議員提言の山形県酒田市における官民連携の事例についても、機会をみて視察調査を行うよう指示する。

・先進的な市町村においては、議会視察に行政側も同行し、ともに知見を深め、課題についても認識を共有する中で、政策論議の活性化や、政策立案のスピードを加速していく取組みも行われており、この点についても、今後、考えたい。

・公共施設グランドデザイン構想の推進に関する新たなマネジメント専門部署の設置について

の提言につては、現在は、専門的なノウハウの蓄積状況や人員不足などから困難であり、引き続き、総合政策部を中心に各部と連携した全庁的な調整を図り、円滑な事業展開に努める。


検討事項等として

 壇上でも述べましたが、酒田市の駅前エリアの再開発事業の推進方法が特徴的であり、選定した業者と酒田市が共に同額出資する個人施行者(事業主体)「光の湊株式会社」を設立、地域住民、従前権利者、新規権利者等関係者との調整、測量業者、設計業者、建設業者への発注を行う等、短期間で建設事業の着手にこつけています。

 一般的な行政の事業推進(各種手続きを含め)に比べると短期間での対応であり、この点も参考にすべきと考える。

 ご答弁ありました、議会視察への行政側同行、スピード感をもって諸課題に取り組み、議論を重ねるうえでも重要と考えます。是非ご検討ください。

 また、民間起点に基づく取り組みについては、民間活力を活かした取り組みをはじめ、産学官連携、企業誘致、或いは、ふるさと納税者の力添えを得て、企画立案や資金面において投資等を喚起していくとのご答弁ですが、グランドデザインの着実な推進には民間活力が重要なキーワードですし、若者の参加、チャレンジも重要であり、そういった官民連携、若者の参加を後押しするような仕掛けをマネジメントする機能、組織は必要です。

 是非、グランドデザインに掲げた民間起点を具現化するためにも、新たな官民連携組織づくりを検討していただきたい。



3.駅周辺の再開発等エリア単位の計画づくりの必要性について

 今議会に、土地開発公社の解散、土地開発基金条例の廃止に伴う予算措置の提案が上程されています。これまで公社所有地であった根室駅前の用地が市有地となりますし、土地開発基金の残高が備荒資金資金組合超過納付金(市の貯金の一つ)に積み立てられます。

 市有地となる駅前は、グランドデザインにおいて、ホテル・温泉・サウナ・マルシェ&フードコートの絵が民間起点・しごと起点に基づく賑わいづくりとして示されていますが、この実現のためには、酒田市の駅前エリア再開発の様な、官民連携による仕組みを立ち上げ、プランニングを進める必要があるものと考えます。

 今後、グランドデザインに示された各公共施設整備に関しては、エリア単位(エリアの一部でもかまいませんが)で民間活力を活かした、複合的な施設整備の手法の導入を検討すべきと考えますが、駅周辺再開発に関するお考えもふくめ、市長の見解を伺います。


【市長答弁】

・公共施設グランドデザイン構想では、公共施設の集約化などの指針を示す一方で、交流人口拡大による地域活性化に取り組むため、民間起点に基づく賑わいづくりなどの開発コンセプトを示している。

・民間企業の資金力や事業能力、また投資など、企業誘致の取組を通じて目的を具現化していくためには、必要性に応じて、専門技術を有する事業者等を活用した、「エリア毎の詳細な計画づくり」は有効な手法と認識をしており、その検討を重ねているところである。

・議員指摘の、JR根室駅周辺におけるホテル誘致についても、民間活力の手法を一部先行して展開しており、長らく望まれてきた民間活力によるホテル、サウナなどの誘致を進めている。

・将来的には、駅舎・バスターミナルなどの機能が集約化した周辺一帯を交通結節機能となる「道の駅」とし、市民をはじめ様々な利用者を取り込む拠点として、開発を促したいと考えている。


検討事項等として

 エリア単位の詳細な計画づくりは有効な手法と認識されているといくことですので、是非、検討され、取り入れていただきたいと思います。

 今回は、エリア毎、或いはエリアの一部であってもしっかりとした計画を市民に示し、施設整備を進めることがまちづくりの一丁目一番地だと思い、計画づくりの必要性をお聞きしました。

 駅周辺に関しては、既に、ホテル誘致も含め一部先行しているとのお話であり、また、将来的には、駅舎・バスターミナルなどの機能の集約化、周辺一帯を「道の駅」として開発を促したいとの答弁ですが、グランドデザインにもホテル等の整備を民間起点として示されているわけですから、その為にも、駅前エリア再開発計画を策定され、市民に未来像をしっかり示し、官民連携のエリア整備に着手すべきではと考えます。検討いただきたい。


現在駐車場として利用されている公社所有地であった根室駅前の用地(手前は駅舎)

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