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令和6年6月定例月議会・一般質問その3

3.市立根室病院の経営見通しについて

(1)公立病院経営強化プランについて

 令和4年3月に総務省より示された「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」に基づき、根室市の公立病院経営強化プランが策定され、本年度から令和9年度までの4カ年の経営見通し等を含めた計画が示されました。

 このプランの中で、一般会計の負担については、地域唯一の公立病院としての役割を担うため、現状の医療体制の維持、地域住民への良質な医療の提供が必要であり、安定的な繰出しが不可欠であるとして、計画期間中21億円から22億円台の一般会計繰入金が予定されています。

 また、この計画期間中は、看護師確保対策が難しいとの想定に立ち、1病棟閉鎖として一日あたり81名の入院感数に抑えています。

 令和6年度当初予算の提案は、この方針に基づくものでしたので、3月定例月議会予算審査において、看護体制の復活を含め135床の稼働等、最大限の収支見通しを想定した場合、一般会計繰入金はどの程度圧縮可能となるのかお聞きしましたが、繰出金の圧縮は難しいとの答弁であり、ある意味、八方ふさがりの大変厳しい病院経営が続くものと、再認識、強い危機感をもったところです。

 当然、このままでいいわけではありませんので、地域医療が抱える厳しい現状をより明らかにする作業、でき得る改善・改革への更なる取り組み、加えて、人口減少が進むなかで地域に必要な医療とそのサービスの提供の在り方に対する市民との情報共有、更には、国等への支援要請や外部コンサルタントの活用等、改善・改革への早急な取り組みが急務と考えますが、今回、策定された公立病院強化プランの評価も含め、今後の病院経営に対する、病院管理者(経営者)としての市長のお考え、今後の取り組みについて、見解を伺います。


【市長答弁】

・本年3月に策定した経営強化プランにおいては、看護師体制の充実が困難な中、当面は現状の外来診療及び急性期機能と回復期機能のバランスに配慮した病床の維持を目指していくものとしており、計画期間中の病院運営は大変厳しい状況が続くものと認識している。

・このため、人口減少や根室圏域等の医療ニーズ、医療制度の動向、さらには医師や看護師など医療従事者の体制を見据えながら、市立病院が根室地域の中核的な医療機関としての役割を果たすとともに、安定した病院運営が可能となるよう、引き続き、医療機能の検討や経営改善に努める考えである。

・今後も、地域医療を守り続けることは、市民が安心して暮らし続けるための最優先施策。

・そのためにも、医療人材の充実を図りながら、当院医療サービスや経営状況など、適切な情報発信に努めるとともに、安定した医療提供体制を維持するために必要な財政措置などについて、北海道市長会等と連携し、国に要請して行く。


※準備した再質問項目

(時間の関係上、外部コンサルタントの活用の必要性を要請)

・外部コンサル等を活用した経営分析等を行いましょう!

・今回の質問のポイントは、看護体制の復活も含め135床の稼働等、最大限の収支見通しでも一般会計繰出金の圧縮が難しいとの考え方が示された点です。

20億を超える繰出金が続き、その改善・改革が難しいとすれば、まずは、経営状況の詳細分析・経営評価などを専門家の力をお借りして、行う必要があるのではないでしょうか

・過去にも、外部コンサルを活用した経営分析を行ったと記憶しております、改めて、取り組んでみては、どうでしょうか?

・公立病院の経営状況は、医療従事者の確保対策も含め大変厳しい状況におかれおり、今後の人口減少を踏まえた中での患者ニーズの分析、更には、三次医療圏等との連携等も含めた中での、経営分析作業が必要であり、地域医療を守り続ける中で、国等からの支援を求めていくために、詳細に渡りチェックを行い、経営状況を抑えるべきと考えます。


(市とし地域医療ニーズの分析・評価が必要)

・根室市は、市単独で2次医療を担わなければならない、ある意味、特殊な医療圏と言えます。 

・これまで、2次医療を守るための、必要な体制整備に取り組んできたわけですが、人口減少、更には、医療人材の体制維持が難しい状況を踏またなかで、今後、どの様な役割を担えるのか、また、担わなければならないのか、地域に必要な医療について、地域課題として、市としての検討が必要であり、その中における市立病院の役割を明らかにし、その経営分析作業も必要と考えます。

 

(2)働き方改革を踏まえた職場環境と人材確保対について

 2024年問題、2024年4月までに医師や看護師など医療業界の労働環境や働き方を見直す働き方改革ですが、この4月から、完全実施されています。職場環境の整備、今後の人材確保対策の必要性等もふくめ、長時間労働を生んでき構造的な問題の改革への取り組み、時間外労働の上限規制や追加的健康確保措置の規定等法改正への対応状況について、課題認識も含め、石垣市長の見解を、伺います。


【市長答弁】

市立病院では、従前より常勤医師の負担軽減を図るため、出張医による日当直業務のほか、当直明けの勤務間インターバルの導入などを行っており、一部の医師を除き、概ね勤務環境に変わりはないと認識している。

・一方、看護師等医療従事者の職場環境の整備については、一昨年より実施している職員アンケートの結果を参考にしながら、改善に努めるほか、これまで勤務時間外に開催していた各種院内会議の多くを、今年度より時間内開催に変更するなど、院内全体で職員の時間外労働の縮減に努めている。

・今後にも、地域の中心的医療機関としての機能を維持し、市民の命と健康を守るため、職場環境の改善に努めるとともに、医師をはじめ医療従事者の確保対策に取り組む。


【意見等として】※時間関係上質疑はしていません。

 常勤医師の負担軽減を図るための、出張医師による応援体制、当直明けの勤務間インターバルなどを設ける等、おおむね勤務環境については、国が求める医師の働き方改革に対応できているとのご答弁でが、看護師等医療従事者の職場環境の充実は人材確保対策にとっても重要ポイントですので、勤務状況の把握する仕組みの強化、職員の声が職場環境の充実に繋がるよう、取り組んでいただきたい。

 

(3)市民に愛される病院のあり方について

 地域医療を取り巻く環境は大変厳しい状況にありますが、市民、医療機関・医療従事者、そして市がそれぞれの役割を理解し、1人ひとりが思いやりを持って地域医療を守り育てる取り組みが必要であり、市立根室病院も市民に愛される、心の支えとなる病院づくりを、委託業者も含め、一丸となり、取り組んでいかなければならないものと考えます。

 窓口等における接遇のあり方も大変重要テーマの一つですが、窓口等での応対、言葉遣い等で嫌な思いをしたという話をまだまだ耳にします。

 病院の顔とも言える窓口業務、入退院事務、外来医事は、現在、人材派遣業者からの人材派遣委託となっています。

 以前は、医事業務専門の事業所と業務委託契約をしており、医療事務という専門分野のノウハウ、窓口での接遇についても、事業所として専門的な知識を持ったものによる指導・サポート等がありましたが、現状の人材派遣システムではどの様な対応・措置がとられているのか、市民に愛される病院として、大変重要な職種の一つと考えますが、現状評価、課題認識等について、市長の見解を伺います。


市立根室病院受付・会計窓口(市立根室病院HPより)


【市長答弁】

・入退院、外来事務といった医事業務については、令和3年度から病院職員及び派遣職員による現行の体制で業務運営を行っている。

・派遣元については医療事務教育機関としてスタートした、医療事務に特化した企業であると承知している。

・派遣元により、派遣職員の基礎研修やスキルアップ研修など、教育訓練計画に基づき、毎年職員の研修を行っていると認識しておりますが、院内における接遇の向上についても、引き続き、接遇向上委員会での情報共有や、研修会の開催などにより、接遇向上に努め、職員一丸となり、市民に愛される病院、心の支えになる病院を目指す。

・一方、今後の医事業務の体制についても、専門知識を有する職員の育成や業務内容に応じた、外部委託の効果的な運用方法など、引き続き、その在り方について評価、検討を重ねたい。


【意見等として】※時間関係上質疑はしていません。

窓口業務の人材派遣事業のチェックポイント

R2年度 78,540千円  R3年度 97,977千円 R4年度 95,657千円

R5年度 110,371千円 R6年度122,557千円 

R2対比44,017千円増 56%増

※一人当たり単価 1時間1,600円 

※人材派遣会社に変更となったのはR3年度から

※新年度予算編成で委託料の増について質疑をしている。

※今回のポイントは、どの様な人材が派遣されているのか、そのスキルチェックは市立病院としてできているか?

再質問予定1

 派遣業者が医療事務に特化しており、派遣職員の基礎研修、スキルアップ研修等教育訓練計画がり、職員研修が実施されているとのご答弁ですが、病院として、30名を超える派遣人材について、医療事務従事年数、研修状況、資格取得等のスキル状況は把握されているのか?

 従前の業務委託と現行の人材派遣委託で違いはないのか?

 また、人材派遣として派遣されてくる方々は市外から来られているのか?人材派遣の状況・実体について、少し詳しく説明いただきたい。

再質問予定2

 窓口業務は病院の顔、窓口での接遇は大切なチェックポイントですし、診療報酬の計算業務は経営に直結しますので、今回、取り上げましたが、病院として医療事務全般をどの様なレベルで統括・管理されているのか、病院としての基本姿勢、今後の評価、検討の取り組みのための体制等について伺います。


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