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執筆者の写真toshiharu honda

文教厚生常任委員会行政視察記録

更新日:2024年12月23日

10月23日、24日の二日間、文教厚生常任委員会の行政視察で、秋田県大館市、山形県酒田市、遊佐町を訪問しました。

大館市はふるさとキャリヤ教育の取り組みを、酒田市は酒田駅前交流拠点施設ミライニを、遊佐町は少年議会それぞれの取り組み状況について詳しくお話を聴くことができましたい。

大変有意義で参考になる取り組みでしたので、12月定例月議会一般質問のなかでも紹介しながら、根室市の取り組みの中でも参考にすべく提案しました。


常任委員会の視察報告の委員会確認が終わりましたので、委員会に報告した書類をこのブログでも共有しました。


文教厚生常任委員会行政視察記録(市民クラブ 本田俊治)

テーマ1:大館市教育委員会「ふるさとキャリア教育について」

 

 大館市のふるさとキャリア教育は、そのスタートのきっかけは、人口減少・消滅可能性都市となることへの危機感からであり、シビックプライドの復活、気概と能力を備えた子どもたち(未来大館市民)の育成を地域全体で取り組むというものでした。

 未来の大館市民を育てる「おおだて型学力」は、全ての教育活動を通じて学力を育成、それを産業界や地域社会が協力・連携、まちをあげて子供達の未来を見据えた教育を展開する取り組みであり、しっかりとしたベクトルをもって、未来の大館市を担う人材を育てる学びの構図でした。

 将来地域に必要となる医療人材や教員等その目標に到達できるような学び、戻るための学力を保証する取り組みでもあるとの説明が非常に印象的でした。

 また、地域と学校が一体となり取り組んでいる「子どもハローワーク」、地域・企業が行う仕事やイベントに参加、働く体験を通して学ぶ取り組みに、240もの企業・団体等が協力して各学校ハローワークにあるような募集案内を掲示、子どもたちが自主的に参加、体験する仕組みについても、240もの企業や団体等の協力を得られている点に驚きました。

 ふるさとキャリア教育を支える要でもある教職員に対しての、授業表彰制度、特に、各段の授業力を有する職員を認定授業マイスターとそのマイスターとなった先生の授業を先生方が見学できるキャリアアップの仕組みも素晴らしいと感じました。

 15年間続けている、この「ふるさとキャリア教育」の評価についてもお話がありましたが、ふるさとキャリア教育の取り組みにより、自己肯定感が高くなり、地域の中でなにをすべきか考える力も高くなり、個人主義でなくみんなの幸せを考える子供が育っているという点、大館市が目標とされたシビックプライドの復活への取り組みに成果を感じておられることがわかりました。加えて、「人を変える力をもっているのは教育だけ」という姿勢にたいしても、共感、私自身再確認ができました。

 教育に関しては、未来に対して目標を掲げ、その目指すべき目標に向かうための沢山のステージを準備することが教育には必要であると、これまでも考えておりましたので、今回視察させていただいた大館市のふるさとキャリア教育のスケール感には驚きましたが、非常に参考となる取り組みであり、是非、我がまちでも、未来の根室市民を育てる構想図を作り上げ、まちを上げて取り組む教育のスタイルの確立の推進が必要であると考えました。

 可能であれば、是非、大館市高橋教育長に根室にお越しいただき、多くの市民に大館市ふるさとキャリア教育の取り組み、そして教育間についてご講演いただきたいと思います。




文教厚生常任委員会行政視察記録(市民クラブ 本田俊治)

テーマ2:酒田市「酒田駅前交流拠点施設ミライニについて」

 

 10月24日10:00酒田駅前交流拠点施設ミライニにて施設整備などの経緯等についてお話を伺いました。

 計画のベースは、酒田市立地適正化計画であり、コンパクトな都市機能、誘導エリア246.6haこのエリアを回遊することで賑わい創出を想定する計画。この計画エリアの一つである駅周辺エリアの開発を市の企画部都市デザイン課と教育委員会社会教育課が担当。

 事業は酒田駅前の再々開発であり、平成26年度に市が酒田駅前周辺地区グランドデザインを策定、観光起点+市民の憩いの場目指す中、多様な機能を実現するため短期で整備するエリアとして、今回視察させていただいた駅前区画の整備事業に着手。令和4年度工事完了、グランドオープンと非常に短い期間で、官民複合型施設が整備されました。

 平成27年度、市場調査を実施、交流をキーワードとした施設として、施設整備方針を策定、公表し事業者を募集。令和28年度当初で事業者選定を行っています。

この選定作業の特徴は、市民ニーズの把握であり、公開プレゼンテーション、市民アンケート、各種団体意見交換を行い事業予定者を決定している点です。(参考にすべき!)

 また、事業推進方法も特徴的であり、平成28年度7月に選定した業者と酒田市が共に同額出資する個人施行者(事業主体)「光の湊株式会社」を同年12月に設立、地域住民、従前権利者、新規権利者等関係者との調整、測量業者、設計業者、建設業者への発注を行う等、短期間で建設事業の着手にこきつけています。(一般的な行政の事業推進(各種手続きを含め)に比べると短期間での対応であり、この点も参考にすべきと考える)

 光の湊株式会社の発注業務の基本は、市内業者、ない場合は県内としています。

 工事契約等は、平成31年1月25日、ホテル棟(民間)、市交流施設ミライニを建設、建設後に同一敷地内旧ホテル解体、マンション(民間)、立体駐車場を建設し完成。(グランドオープンは令和4年7月)

再開発事業規模は、109億7千5百万円、うち市負担額は、46億5千2百万円で、うち図書館購入費は12億3千7百万円。


ミライニについて

・管理運営は、複数機能を一括して教育委員会が所管、管理運営は、指定管理者制度を導入(TRCへミライニ全体と市立図書館分館3か所を合わせて指定管理契約)

・図書館の利用者(旧図書館年間24万人→年間40万人※R4,R5目標達成)

・交流拠点施設として、乳幼児、小中学生、子育て世代、一般・高齢者の交流を

・図書館の枠を広げる取り組み(未来に(MIRAI)懸ける(×)Three Action)

 ※Art、Sport(ナイトウォーク)、図書館で音楽を、図書館で種類販売を、広場イベント

・市民の声として、駐車場の無料化、コーヒーショップ等の希望あり

以上、駅前再開発事業として図書館を核とする市民交流施設、ホテル、マンション、立体駐車場の複合施設整備の経過等について詳しくお話を聞く事ができました。

根室市も今後の施設整備は複合化が基本です。素晴らしい取り組み事例であり、施設整備プロセスの市民参加の考え方がたいへん参考になりました。計画策定のプロセス等、根室市の今後の複合施設整備事業推進の参考にしていきたい。




文教厚生常任委員会行政視察記録(市民クラブ 本田俊治)

テーマ3:遊佐町「少年議会について」

 

 10月24日 13:30 遊佐町役場にて少年議会の取り組みについてお話を伺いました。

 2000年頃、まちが抱える人口減少、職住分離、生活形態の多様化、時代を牽引する若者の減少等の問題を打破、その時代を牽引するのは常に若者との考えの下、若者自身から地域社会の一員であることを自覚、若者の活動の場を創るための環境づくり、若者の力・意見を取り入れたまちづくりの推進、若者の町への愛着や関心をもってもらうこと等をめざし、スタートした事業。

 2003年からの取り組みで、今年で21年目、少年町長、少年議員の公選事業(中学1年生から高校3年生が立候補)が行われています。

 当選者により、年3回の少年議会が行われ、その中で、一般質問も行い市の担当部署が答弁を行います。

 さらに、独自の政策提案や陳情•要望書の取りまとめなどを目的に任期中に全員協議会(18回もの協議会を行った年もある。)を開催しています。少年議会が独自の政策実現ができるよう予算措置(現在は45万円)もされています。

 全員協議会で検討・実施された事業は、今年度はスポーツごみ拾いや伝統芸能体験を実施、過去には、町民が一つにまとまるようにと遊佐町のシンボルキャラクター(米~ちゃん(ベーチャン))を考案・決定、要望・陳情活動として若者の声・要望を集約し町や関係機関へ提出等を行っています。また、少年議会の政策を充実させるために大人の議員の意見を参考にしたいと町議会議員との意見交換も実施しています。

 少年議会事業の目的を達成するためには、少年議員の主体性を尊重すること、学校との連携、保護者の協力が必要。事業の初期では趣旨等を理解をいただけず、親の承諾が得られず立候補を断念した学生もいた。

 2022年度に1期~20期少年会議に立候補した方々にアンケートを実施。遊佐町への関心や愛着の変化があった60%、まちづくりへの興味が生まれた67%とうの回答があった。まだ、少年議員のなかから町議会議員はでていないが、役場職員、まちづくりセンターやスポーツ少年団のコーチ等地元で活躍する者が増えている。6年間少年会議に所属する学生や親子2代で少年議会に所属する者いる。(20年を超える歴史を感じる)遊佐高校への進学を考える学生への説明会で少年議会を紹介しており、区域外からも遊佐高校への進学を決めた学生もおり、その学生が少年議員になっている。

 若者たちが自ら代表を選び政策の策定•実現、若者の目線で町政へ意見•提言を行い市政に参加、若者が社会のシステムを学び町への愛着や関心を高め、その若者の意見を取り入れたまちづくりを推進する素晴らしい取り組みです。

 これからのまちづくりの主役は若者との考えが事業のベース。大変貴重なお話が聞けました。根室市にとっても人口減少、特に、若者の抽出は大変大きな課題であり、若者の意識改革、まちづくりの参加は大変重要なテーマであり、今回の視察結果を参考にしっかり検討していきたいと思います。



視察記録写真



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