6月定例月議会一般質問その3

更新日:6月21日

ウクライナ情勢を踏まえた北方領土問題に対する取り組みについて


 2月定例月議会代表質問においても取り上げ取り上げておりますが、

 3月21日にロシアは日本を「非友好国」とし平和条約締結交渉の継続を一方的に拒否、四島交流事業の中止、共同経済活動に関する対話からの離脱等々が明らかにになり、平和条約締結、四島の返還のため積み重ねてきたことが、ことごとく閉ざされしまいました。

 2月定例月議会代表質問では、「この76年間がそうであったように、複雑な情勢に注視はすれども、一喜一憂せず、元島民の皆様と共に、「原点の地」として、隣接地域としての責務を果たしていくことが最も大切である」とご答弁いただきましたが、私も、この思いを共有し、我々が、今できること、今すべきことを一つひとつ積み上げる粘り強い活動が必要であり、今こそ、原点の地としての取り組み・アクションを起こさなければならないものと考えます。


(1)四島交流事業の意義その評価と今後の展開について

【質問】

 はじめに、四島交流事業についでありますが、この30年間の交流は間違いなく相互の信頼関係の醸成に繋がっており、様々な形で隣人として、友人としての関係性が構築されてきたものと考えます。交流再開、閉ざされた扉が開く日を信じて、これまで積み重ねてきた交流の意義を確認、その評価をすること、積み重ねた信頼関係をつなぎ続けること、更には、人材育成も含め新たな交流の展開につて検討を続けること等が必要であると考えますが、市長の見解を伺います。


【市長答弁】

 四島交流事業は、領土問題解決までの間、相互理解の増進を図り、北方領土問題解決に寄与することを目的に平成四年から始まり30年を迎えましたが、この間、様々な交流を通じて、四島で暮らす島民との間に友好な関係を築き上げてきていると認識している。  このつながりを後退させないため、昨年7月に「北方領土対策に関する専門家会議」を立ち上げ、「北方四島との新たな地域間交流のあり方」などについて、専門的な見地から調査研究し、 可能なものから適宜施策化を図ることとして、令和3年度は、特に「ビザなし交流30年」企画などを通じ、新たな地域間交流のあり方について、調査研究を進めてきた。

 こうした中で、ロシアのウクライナ侵攻により、本年度の北方四島交流等事業の実施が当面見送りとなったが、市としては、交流等事業の再開を視野に、引き続き専門家会議等での調査研究を進める。


【再質問1】

 昨年7月に設置した「北方領土対策に関する専門家会議」において北方四島との新たな地域間交流のあり方について調査研究をされてきたとのご答弁ですが、昨年度、新たな地域間交流のあり方としてどの様に調査研究の成果があったのか?

 また、厳しい状況化ですが、交流再開を視野に専門家会議において調査研究を続けるとの考えですが、市としては、この30年間の交流事業をどのように評価されているのか、また、どのような課題認識をもたれているのか、ゼロベースで専門家会議に託されたわけではないと思いますので、改めて、交流事業30年の意義と評価、課題や今後の検討テーマ等について、少し詳しくお話いただきたい。


2022/11/7 北方四島色丹島の皆さんとのオンライン交流の様子


【答弁】

 調査研究の成果についてですが、「北方四島との新たな地域間交流のあり方」などについて、専門的な見地から調査研究を行い、昨年度は、ビザなし交流30年を振り返る企画展などを通じ、新たな地域間交流のあり方について、調査研究を進めてきました。

 また、専門家会議においてシンポジウムを開催した中で、コロナ禍によりビザなし交流事業等が中止となったことから、四島在住ロシア人とのオンラインによる交流を行ってはどうかという提案を受け、色丹島のロシア人との間で実施し、長年、積み重ねてきた住民同士の絆を改めて確認したところであります。

 新たな地域間交流については、墓参や自由訪問を含め、使用する船舶がフル稼働している中で、訪問、受け入れ事業を追加することが難しい現状や四島側の理解など、いくつかの課題があるものと認識していますが、顔が見える近所づきあいを目指す新たな地域間交流の実現に向け、具体的な交流の手法等について、引き続き専門家会議等で調査研究を進めます。


【意見等として】

 私も、シンポジウムや色丹島の皆さんとのオンライン交流に参加させていただきました。

 交流事業が止まってしまたことは残念でなりません。

 30年間の活動の整理としてデジタル・アーカイブへの取り組みを検討してはどうでしょうか?伝える取り組み、知ってもらう取り組みとして必要と考えます。

 

(2)北方領土問題啓発事業これからの取り組みについて

【質問】

 次に、北方領土問題啓発事業についでありますが、啓発事業は基本的にその多くは、国内向けに展開してきたものであり、北方領土問題が置き去りにされないよう、関心が薄れないよう、原点の地から、粘り強く強力なメッセージの発信、行動が必要であり、啓発予算の確保も含め、原点の地からの情報発信力の強化、啓発活動を支えてきた元島民のサポート、二世等返還運動を支える後継者の育成強化・活動支援策の充実、北方四島交流専用船「えとぴりか」の利活用、更には、新たな市民参加型の枠組みを考える等様々な取り組みの検討・推進が必要と考えますが、これからの啓発事業・活動のあり方・取り組みについて市長の見解を伺います。


【市長答弁】

 コロナ禍の影響により、昨年・一昨年と北方領土問題の啓発事業については中止や規模を縮小して実施せざるを得ない状況であったところに加え、ロシアによるウクライナへの侵攻により、平和条約交渉等が中断となり、事態が長期化する中で、北方領土問題が置き去りにされ、関心が薄れることを懸念している。

 このような状況下にあっては、元島民の痛みを和らげ、返還要求運動を後押しする意味からも、内政措置の拡充がより一層重要と考えており、北方領土問題の啓発はもとより、返還要求運動後継者の育成、元島民の援護対策、地域振興策など、各種施策の推進に更に取り組んでいく必要があると考えている。

 特に、啓発事業については、北方領土返還要求運動原点の地として、全国に向けて力強く発信するとともに、若い世代への啓発に力を入れていくことが重要と考えており、SNS等を活用した効果的な啓発事業に積極的に取り組みたい。


【再質問】

 壇上では、原点の地根室から、粘り強く強力なメッセージの発信、行動が必要であり、いくつか提案型で述べさせていただきましたが、北方四島交流専用船「えとぴりか」については、今年度洋上墓参で利用されるようですが、これまで5月から10月までは根室港を拠点としていたわけですから、この間、管内の児童生徒や修学旅行生の洋上研修、或いは、若い世代を中心にこれまで四島交流事業や返還運動に参加したことのない方々への啓発事業として利活用できないものでしょうか? 

 返還運動原点の地から、アイディアを出し、啓発事業を提案・アクションを起こすべきと考えますが、改めて、見解を伺いたい。


【答弁】

 「えとぴりか」の利活用については、議員ご指摘のとおり、北方領土原点の地である当市を訪れる、青少年現地視察や修学旅行生、北方領土啓発イベントなど様々な事業に活用することは非常に効果的であると考えておりますが、一方で安全対策や運行経費などの面で課題も多いと認識しています。

 このことから、先日の岸田総理大臣への要請においても、洋上慰霊等の実施について要請を行ってきたところであり、洋上慰霊の実施はもとより啓発事業への活用なども視野に、今後も国や関係機関と協議していきたい。

 

(3)隣接地域の振興施策のあり方について

【質問】

 隣接地域の振興策については、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(北特法)により振興計画を定め、5年更新で新たな計画が策定されており、令和4年度は第8期計画の最終年度です。

 第8計画では、振興財源として基金原資の取り崩しが認められ、また特別な助成として振興計画に基づく市町事業の補助率の嵩上げや地方債に対する特別措置の配慮など財政上の支援強化も考慮されています。

 第8期計画の最終年度を迎えるにあたり、北特法に基づく振興施策の現状をどの様に評価されているのか、また、ロシアから平和条約締結交渉の継続が一方的に拒否されている現状において、北特法の目的に沿った事業の展開、更には、次期振興計画の策定については、どの様な視点で整理が必要か、この時期だからこそやるべき振興施策の展開のあり方等、現時点における市長の見解を伺います。


【市長答弁】

 終年度を迎える第八期振興計画については、本年2月までに中間評価を実施し、諸施策の進捗状況を自己評価するとともに、北海道において施策の有効性に関する現状分析や課題等の検証を行ったところである。  当市においては、「水産業の振興」を中心に、様々な施策に取り組んできたが、その進捗状況は、概ね良好に推移しているものと認識しており、平成31年の改正北特法の施行により、北方基金の原資が活用可能となったことに伴う効果があったものと考えているが、隣接地域が求める十分な財源対策には至っていない状況である。  次期振興計画策定にあたっては、北特法の趣旨に基づく隣接地域の振興と住民生活の安定を図るための施策の推進とともに、ウクナイナ情勢を踏まえた施策などを含め、今後、実施される第八期振興計画の最終評価結果を活用しながら、より実効性のある振興計画となるよう進める。


【再質問】

 ウクライナ情勢なども考慮し、第8期振興計画の最終評価結果を踏まえ、次期計画が実行性のある振興計画となるようにとのことですが、基金原資には限りがありますので、従来型の事業の継続だけではなく、隣接地域の社会的、経済的な発展に繋がるよう新たな事業を加えていくこと、また、その為の補助率の更なる嵩上げ、地方債への配慮等財政面の支援の拡充を訴えていく必要があると考えます。

 また、北特法第4条の2「交流等事業の推進」、第9条の2「漁業者の円滑な操業の実施の確保」等ロシアのウクライナ侵攻により北特法の目的に沿った事業の展開にも支障が生じることが想定されますので、これらを支える新たな支援措置等についても検討が必要と考えます。

 北特法は、議員立法であり、これまでも見直しをしていただいてきたわけですが、次期計画策定に向け、北特法に基づく措置の更なる充実・強化を訴えていかなければならないものと考えますが、市長の見解を伺います。


【答弁】

 北特法に基づく措置についてでありますが、このたびの、ウクライナ情勢下にあっては、元島民の痛みを和らげ、返還運動を後押しする意味からも、内政措置の拡充がより一層重要であることから、北特法に基づく領土問題の啓発、元島民の援護対策、地域振興策などが必要と考えています。

 このことから、これまでも北特法に基づく財源措置など、その必要性を訴えてきたところでありますが、今後も、様々な機会をとらえ、国・北海道及び関係国会議員に対し、積極的に要請を続ける。

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