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令和5年9月定例月議会・令和4年度決算審査/病院事業会計

10/27 令和4年度病院事業会計の決算審査が行われました。

決算審査用に準備した資料等をベースに質疑内容も含め会計の状況を整理しました。


患者動向及び診療行為別報酬の分析(H30とR4決算ベース比較)について

チェックポイントは

・令和4年度の患者動向及び各診療行為別別の収益をどの様に分析しているのか?

・コロナウイルス前の平成30年度(経営的にもほぼピーク)との比較・評価について

・病棟閉鎖に伴う影響についての見解・今後の見通しについて

・地域包括ケア病床はこの4年間どの様な役割を担ってきたのか?機能したのか?

・今後の入院、外来患者の動向及び診療行為別の単価見通し等について

・R4年度の一人当たり単価は今後も維持可能なのか?どの様な推移を想定しているのか?


患者動向・入院外来収益の推移についてのグラフ


入院収益について

〇一日当たり患者動向

R4年度 79.6人 H30年度 107.2人 27.6人減(25.7%減)

※新型コロナウイルスに伴う入院患者の抑制

※看護師不足に伴う病棟閉鎖

〇一人上がり単価

R4年度 43,395円 H30年度 37,696円 5,699円増(15.1%増)

※注射料、入院料、手術・処置料が大きく伸びている。

(注射料)

R4年度 4,741円 H30年度 2,786円 1,955円増(70.2%増)

(入院料)

R4年度 26,037円 H30年度 24,262円 1,775円増(7.3%増)

(手術・処置料)

R4年度 7,196円 H30年度 5,712円 1,484円増(26.0%増)

単価アップの要因

→整形外科の常勤化(R2)と泌尿器科の常勤化(R4)

→コロナ化で重篤疾患患者への治療を優先する等受入患者の制限を行ったため

外来収益について

〇一日当たり患者動向

R4年度 502.8人 H30年度 578.1人 75.3人減(13.0%減)

※新型コロナウイルスに伴う外来患者の抑制

※患者様の受診控え

〇一人上がり単価

R4年度 11,345円 H30年度 9,412円 1,933円増(20.5%増)

※注射料、検査料、レントゲン料が伸びている。

(注射料)

R4年度 1,782円 H30年度 949円 833円増(87.8%増)

(検査料)

R4年度 2,800円 H30年度 2,340円 460円増(19.7%増)

(レントゲン料)

R4年度 1,142円 H30年度 898円 244円増(27.2%増)


令和4年度決算と平成30年度決算の比較

・入院患者数が25.8%減、外来患者数も13.4%減と大きく落ち込んでいるが、一人当たり診療単価が入院15.1%、外来20.5%と大きく伸びていることから、収入減少額を5.6%程度に抑えることができた。

・特に、注射料については、1人当たり単価が入院で702.%、外来で87.8%と大きく伸びたことから、患者減を上回り46.3%の収入増となっている。

・注射料に関しては、私の手持ちの資料ですが、外来において平成24年度36,250千円から令和4年度217,664千円と大きくのびている。この詳細分析が必要!


診療体制について

チェックポイント

医師の充足状況について

※令和4年度の患者数から計算した標準医師数は16.45人。実医師数は22名体制

看護師の体制(現状と今後の目標)

※131床をフル稼働させるために必要な看護体制

→入院病棟は、10対1看護、3人夜勤体制を維持するためには、3F病棟26名、4F東病棟24名、4F西病棟26名 合計76名が必要。

→外来は、救急外来の夜勤体制を維持するため31名と外来患者30名に対し1名の看護師配置等に基づき計算すると44名が必要。

→合計で120名の看護配置が必要。

→令和5年4月1日現在の看護師数は全体で102名、このうち夜勤可能な職員は79名と厳しい状況にあることから、1病棟を閉鎖せざるを得ない状況。

退職看護師の状況

→令和4年度は14名が退職しており、うち9名が20歳代であり、キャリアアップ、結婚等が主な退職理由。

※キャリアアップのための基金(平賀基金)の有効活用、住環境の整備等、働きやす環境づくりへの取り組み等も必要。

医療従事者の職種別体制の現状と今後の体制整備について(現状配置状況の資料を)

→薬剤師 目標10名 現状7名(3名不足)

 臨床検査技師 目標9名 現状8名(1名不足)

 視能訓練士 目標2名 現状1名(1名不足)

 他の医療技術職は充足

※診療報酬アップにつながる医療従事者等の配置についてもの検討が必要(病院の診療方針との連動)

看護助手の現状と今後の配置のあり方について

→現状は、病棟閉鎖もあり充足している(目標は3病棟で19名 現状は17名)。 ※看護師の負担軽減のためにも夜間の看護助手配置の検討もすべきと考える。


経費について

委託料について 人件費の伴う委託事業について(人員数・委託料をチェック)

〇総合管理業務委託料 72,887千円 31人工

〇入退院事務及び外来事務業務委託料 95,657千円 26.5人工

→契約先株式会社シラスト札幌支店との人材派遣契約(令和3年度から)

※令和2年以前は業務委託契約であり、人材派遣に切り替えたことで影響はないのか?この業務は、患者様と接する窓口、病院の顔でもあり、接遇対応のチェック体制、また、派遣されている方々はほとんど地元の方であり、過去の委託先から継続し従事されている方もいるものと考えることから、待遇面に問題がないか確認が必要。(チェックを依頼!)

〇給食業務委託 47,520千円(管理費のみ)15人工

〇育児室業務委託 13,824千円 5人工

〇SPD及び購買代行業務委託 34,903千円 8人工

〇総合医療情報システム要員派遣委託 13,398千円 2人工

合計 281,189千円 87.52人工


・使用料及び借上料について

〇建物借上の状況を確認(医師・医療従事者用) 40,960千円

アパート 借上棟数 41棟 年度末入居者 25名

一軒家  借上棟数 12棟 年度末入居者 10名

※住環境の整備は重要なテーマであり、医師、医療従事者の意見も聞きながら、PFI方式の活用等も含め、充実した機能を備えた病院独自の施設整備の検討も必要。


医療機器等の更新計画と財源対策について

※新病院建設から10年以上が経過しており、医療機器の更新については、診療に支障を来さないよう、計画的に行っていただきたい。


公立病院経営強化プランの策定作業の進捗状況について

※現在、新たな公立病院経営強化プランの策定作業を進めているものと認識しておりますが、本日の議論等もしっかり計画に反映していただきたい。また、今回の強化プランは、地域医療構想や地域包括ケアシステムにおける役割・機能を明確にするこも求められていますので、全市的・全庁的な体制で作業を進めていただき、都度、議会に対しても報告していただきたい。


一般会計繰出金の状況


※令和3年度、令和4年度とコロナ病床確保に対する北海道からの6億円を超える補助金があり、結果、収支均衡を図るための繰出金が減額・圧縮となった。

※一方で、令和元年度から基準内繰入対象である企業債利息負担金、周産期医療に要する経費、建設改良費の負担院及び企業債元金負担金の企業会計負担分(令和4年度133,537千円)の補てんを基準外繰出項目としている。


今年度の決算状況と今後の対応について

※令和4年度決算は、北海道からの6億円を超える補助金があり、患者数はコロナ禍で制限せざるを得ず減となったが、1人当たり単価が伸びたこと等により3条予算(収益的収支)は22,050千円の純利益を計上。

※令和5年度は、この北海道からの補助金を見込むことが難しく、また、看護師不足に伴う、病床閉鎖により、大きな収益増を見込むことが難しく、厳しい経営状況を想定しなければならないものと考えます。

※策定中の「公立病院経営強化プラン」には、様々な視点から改善・改革項目を盛り込み、一般会計からの支援も含め、しっかりとした将来設計を盛り込み、このプランをベースに、経営改革に努めなければならないものと考えます。

  以上

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