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執筆者の写真toshiharu honda

12月定例月議会一般質問その1

更新日:2023年1月6日

1. 不足する看護師等医療従事者確保への取り組みと診療・経営への影響について

(1)看護師の退職等人材不足の入院・外来診療への影響について

【質問】

 市立根室病院の診療体制につきましては、10月定例月議会代表質問で取り上げておりますが、その際のご答弁で看護師の確保対策が危機的な状況であり、現状の病床数135床を維持すためには、120名体制が必要であるが、今年度末には90名程度にまで落ち込む旨の答弁がありましたので、一定程度の質疑をさせていただきました。

 先般、一般病床89床、コロナ病床10床の計99床の運用とせざるを得ない状況との報告がありましたので、現状の厳しい状況を踏まえ、伺うものです。

 はじめに、看護師の退職等人員不足の入院外来診療への影響についでありますが、現時点で36床の病床制限をせざるを得ない状況となった理由、並びに病床制限による経営への影響について見解を伺います。

 また、年度末に看護師が90名程度に落ち込んだ場合、3病棟135床の維持運営にどの様な影響が想定されるのか、患者サービス、経営の両方の視点から見解を伺います。


【市長答弁】

 市立病院では、看護師体制を病棟76名、外来44名、合計120名を目標とする中、慢性的な看護師不足に加え、今年度に入り既に6名の自己都合退職が生じるなど、11月1日現在では、病棟で58名まで減少した。

 更には、職員の新型コロナウイルス感染症の罹患者や濃厚接触者の自宅療養者が増加するなど、135床を維持することが極めて困難になった。

 このため、当分の間、緊急を要さない入院、手術や検査などの制限を行いながら、一般病床を縮小し運用するとともに、コロナ専用病床は、これまで北海道のフェーズに合わせ最大19床としていたものを、最大10床を限度に運用せざるを得ない状況となるため、制限開始時点で、一般病床89九床、コロナ病床10床の計99床での運営となり、今年度末までの影響額としては約1億5千9百万円の減収になるものと想定してた。

 また、年度末に向け更なる看護師の退職が見込まれることから、3病棟135床の維持運営については極めて厳しい状況にあり、一定の体制が確保されるまでは、縮小した病棟運営となるため、経営面への大きな懸念材料になり得るものと捉えている。

 引続き看護師体制の充足に努めるとともに、釧路・根室管内の他医療機関、保健所等と連携を図りながら、患者様への影響を最小限となるよう適切に対応する。


【再質問その1】

 11月1日現在病棟担当の看護師が58名まで減少してしまったとのご答弁ですが、病棟の維持に関しては看護基準と夜勤体制の両面から精査が必要です。

 2人夜勤体制で看護師1名が月4回夜勤で一病棟最16名が必要、3名夜勤体制であれば24名の体制が必要になりますので、58名の体制では3病棟3名夜勤体制は採れない状況です。また、58名すべての看護し夜間勤務が可能なわけではないと考えますが、現行体制でどの様な病棟運営をされているのか、3病棟とも稼働しているのか等、もう少し詳しく説明いただきたい。


【部長答弁】

 本来ならば3階病棟47床、4階東病棟42床、4階西病棟46床の合計135床のところ、看護師体制は、3階26名。4階東24名、4階西26名が必要(目標)。

 この様な中、看護師不足に加え、新型コロナの影響により4階西病棟はコロナ専用病床として10床のみの運営とし、合計99床となっている。

 職員体制については、3階病棟は25名で夜勤3名体制、4階東と西病棟は2病棟の職員合わせて33名で夜勤は5名体制で52床の運用。


【再質問その2】

 年度末に向け更なる看護師の退職があった場合、135床3病棟の維持が極めて厳しくなるとのご答弁ですが、1病棟閉鎖となるラインまで落ち込まないとしても、看護師3名の夜勤体制は現状でも厳しいわけですから、患者サービスの面から、また、看護師の負担軽減からも夜間の応援体制等について検討が必要ではないでしょうか?

 看護事務をサポートする病棟クラークの配置や看護助手の夜間配置、ナースバンク等からの夜間専任ナースの派遣、更にはICTを活用したDXによる業務軽減の検討等々看護師不足をカバーする検討が必要と考えますが、どの様な対応を想定されているのか、再度、見解を伺います。


【部長答弁】

 看護師の負担軽減等については、職員アンケートの内容を見ましても、心材不足及び業務量への不満が多い結果となっており、人材確保及び負担軽減が喫緊の課題であると認識している。

 現場からは、病棟への事務補充者の配置や看護助手の夜間配置を求める声もあるが、勤務時間や業務内容など労働条件については、労使協議も必要になることから、今後、精査する。

 

(2)働き方改革を見据えた看護師等の離職を防ぐための対策について

【質問】

 10月定例月議会の答弁では、看護師の疲弊・離職の原因については、マンパワーの不足に加え、患者様態の変化等に伴う治療指示の多様化等に伴う疲弊の問題を挙げられ、院を挙げて業務の見直しやタスクシフトの検討に努めるとのお話でした。

 その点を踏まえて伺いますが、365日24時間体制の医療職場における働き方改革をどの様に見据えておられるのか。

 勤務体系や勤務内容の精査・見直しや看護助手やクラーク、更には、他の医療専門職の協力のあり方、若手従事者のスキルアップのための学びの環境等々様々な視点から病院全体で疲弊・離職を防ぐと共に、魅力ある職場環境を目指す、検討・改善に取り組む必要あると考えますが、改めて、働き方改革を見据えた看護師等の離職を防ぐための対策について、どの様に取り組まれるのか見解を伺います。


【市長答弁】

看護師等の離職防止対策について

 看護師等医療従事者については、若年層を中心に様々な理由により離職しており、特に看護師については、診療体制に及ぼす影響が大きいことから、平成27年度から、職員個々の事情に即した働き方を可能にする任用制度を導入するなど離職防止を図り、影響を最小限に留めるよう努めている。

 この度、院内において職員が働きやすい環境整備を進めるため、職員アンケートを実施した。

 提言のあった疲弊・離職防止策を含め、今後、多職種で構成する病院改革プロジェクト会議を中心に検討を進めたい。


【要望及び再質問】

 看護師等の離職を防ぐための対策については、是非、組織的に取り組んでいただきたい。

 職員個々の事情に即した働き方を可能にするためにも、体制の充実はもちろんですが、病院をあげて、働きやすい環境、疲弊・離職を防ぐためのソフト・ハード両面からアイディアをだしあい、その実現に向けた取り組みに努めていただきたい。

 職員の休憩スペースも十分ではないと聞いたことがありますが、福利厚生面も含め、職員の声が改善・改革にとどくよう、風通しの良いプロジェクト運営でなければならないと考えます。

 多職種で構成する病院改革プロジェクト会議ですが、どの様なメンバー構成なのか、若手職員も構成メンバーに入っているのか等、改革組織の体制や今後の取り組みについて、詳しく説明いただきたい。


【部長答弁】

 病院改革プロジェクト会議は、副院長を座長とし、医師1名、薬局部長、看護部長、看護課長1名、医療技術部長、統括技士長、事務長、事務職課長3名。事務職主査2名の合計13名体制。

 現在、プロジェクトで議論した内容は、幹部会議の承認を経た後、具体的な作業は、その内容を所管する部署や必要に応じて、その他各委員会で議論・作業を進める流れを基本とている。

 今後も、新たな組織体制の必要性を検討しながら、働きやすい環境整備に努めたい。

 ※ワーキンググループの設定検討等若手職員の声が届く、意見が反映されるプロジェクト運営を目指していいただきたい。

 

(3)室版地域医療計画の策定とその中核を担う市立病院の医療従事者確保対策への取り組みについて

【質問】

 地域医療計画は北海道が取りまとめており、北海道全体の計画、その計画を踏まえた地域計画が策定されています。

 現行計画は令和5年度までの計画であり、その改定作業が必要ですが、地域医療のあるべき姿を示すこの計画策定と同時進行で公立病院経営強化プランの策定作業にも取り組まなければなりませんので、根室市として根室版の地域医療計画の検討が必要であり、その計画を踏まえた中で市立病院の医療従事者確保対策の目標設定、特に、危機的な状況にある看護師確保対策について検討が必要と考えます。

 現在進行中の5次計画の諸課題の整理を含め、どの様な作業を想定されているのか、また、どの様な医療従事者確保対策への取り組みを必要と考えておられるのか、見解を伺います。


【市長答弁】

 現在、根室市版の地域医療計画策定については、北海道の地域医療構想の議論が進んでいないことや、新型コロナウイルス感染症への対応などから事務作業を中断している。

 しかしながら、少子高齢化の進行や人口減少、また、新型コロナウイルス感染症への対応により、医療・福祉・介護の担い手確保の環境は、厳しさを増す中にあっても地域の必要な人材の確保は重要課題の一つであり、将来を見据え、計画的な環境整備が必要と認識している。

 今後の計画策定については、市立病院や医師会など現場の声をくみ上げる協議の場を設け、地域の医療提供体制を維持するための看護師や医療従事者等確保対策について検討する。


【再質問】

 根室版地域医療計画の策定の必要性はこれまでも様々な場面で必要性を述べております。

 地域に必要な医療の在るべき姿を考え、市民の理解と協力を得て取り組むことが重要です。

 市民理解を得られた中で、中核となる市立根室病院の担うべき役割を明らかにし、その考え方、方針をもって次の「公立病院経営強化プラン」の策定を目指すべきと考えます。

 しかし、同時に、人材確保ができなければ、目指す医療の提供にも支障をきたすことになります。

 看護師不足の問題が明らかになった今、他の医療従事者の確保対策も含め、危機感をもって、地域をあげて、目指すべき地域医療のあるべき姿を実現するための人材確保・体制整備等地域が抱える課題の解決に取り組まなければなりません。

 石垣市長の強いリーダーシックをもって取り組むべき課題の一つであると考えますが、改めて、この課題に対するお考えを伺いたい。


【市長答弁】

 地域医療を支える人材確保対策は、最重要課題と私自身捉えている。

 超高齢化社会の医療・介護等の現場では、就業者数に対して人材需要が急激に増加しており、供給が追い付いていない現実にあります。

 また、離職問題については、日本看護協会の調査によると辞められる理由として、人手不足により仕事がきついことや休暇が取れないこと、スキルアップのため、看護師の9割が女性であることからの出産、育児などライフイベントを抱えているなど、様々な課題が内在しています。

 地域を支える人材確保対策は、現状では、地域間競争となっており、これまでの取り組みから、さらに大胆な発想で攻めの対策を講じることが必要と考えています。

 そのためにも医師会や関係団体と協議の場を設け議論を深めるとともに、定着していただくためのシステムをパッケージ化するなど、戦略性をもった取組みを推進するために、各地の先進事例などの情報収集を行ない、医療従事者等確保対策について、今後策定する「根室市版地域医療計画」に位置づけ、取り組む考えである。



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