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執筆者の写真toshiharu honda

令和5年12月定例月議会一般質問/市立根室病院の経営状況と公立病院強化プランについて

更新日:2023年12月29日

(1)上半期の状況を踏まえた経営見通しについて

 令和5年度は、令和3年度、4年度の様な北海道(国)からの多額の補助金を見込むことが難しく、また、看護師不足に伴う病床閉鎖により、大きな収益増を見込むことも難しく、厳しい経営状況を想定しなければならないものと考えますが、上期の経営状況を踏まえ、また、現状の診療体制のもとで、本年度どの様な経営見通しを想定されているのか、一般会計繰入金の見通しも含め、お考えを伺います。


【市長答弁】

・本年四月からは看護師不足に伴い2病棟での病院運営となり、5類移行後においても引続きコロナ専用病床の確保など、当該感染症への対応が求められる中、国は移行後、段階的に病床確保料を縮小している現状である。

・当院における本年10月末現在の入院・外来収益では、一部病床を休止しているなかにおいても、外来患者の一部回帰などにより予算対比約4百万円程度の増収となった。

・しかしながら、病床確保料については、国の補助制度が縮小されている状況から、現時点で約1億1千万円の交付決定にとどまり、今後見込まれる追加交付の状況等によっては、一般会計繰出金や経営面への影響が避けられない状況であるものと認識している。


(2)看護師等医療従事者の体制とその確保対策の見通しについて

 看護職を中心に厳しい体制の中での診療が続いており、医師をはじめ病院スタッフ皆さんの地域医療を守り続ける日々の取り組みに、感謝申し上げます。

 従事者対策、特に、看護師確保対策は、全国的に看護師不足となっている現状のもとでは、大変難しいものと考えますが、135床を稼働させるためには、選ばれる病院をめざした医療従事者確保のための改善・改革への取り組みを進めなければなりません。

 医師確保同様、「地域医療を守り育てる条例」の趣旨に添い、将来にわたり住み慣れたこの街でだれもが安心して医療を受け続けられる環境を守るためにも、“今わたしたちにできることは何か”を考え、市民、医療機関、医療従事者及び市がそれぞれの立場で地域医療を守り育てるために共に支え合い、協力し合う環境づくりの推進が必要であり、石垣市長にはそのリーダーシップを発揮していいただきたいと思います。

 まずは、厳しい現状を理解していいただくこと、必要な従事者確保のために市民の声が届くような仕組みをつくること、更には、医療従事者の職場・住環境の充実に努める等まちをあげた取組みが必要と考えますが、現状の取り組みと、そこから見える諸課題、今後の市としての取り組みについて市長の見解を伺います。

地域医療を守り育てる条例パンフレット (PDFファイル: 520.5KB)

 

【市長答弁】

・12月1日現在の市立病院の看護師は、目標の120名に対し、106名、このうち夜勤可能な職員は84名となっており、依然として厳しい状況が続いている。

・このため、看護師確保対策として、看護師養成校への訪問や全国で開催される就職説明会への参加をはじめ、潜在有資格者の掘り起こしのため、官公庁を訪問し、職員の配偶者で看護師資格

を有する方の紹介依頼や昨年からは東京根室会総会において看護師募集案内の配布などに取り組んでいる。

・また、看護師等確保総合対策事業に併せて拡充した、市立病院独自の修学資金貸付制度について、新規採用者をはじめ、学校関係者や看護学生から好評を得ており、引き続き周知に努め、人材確保に取り組みたい。



(3)新たな公立病院経営強化プランについて

 新たな公立病院経営強化プランの成案化まであと4か月を切ってしまいましたが、「公立病院経営強化プラン」には、様々な視点から改善・改革項目を盛り込み、一般会計からの支援も含め、しっかりとした将来設計を取りまとめ、この計画を中心に、経営改革に取り組んでいただきたいと思います。

 その策定作業については、これまでも、病院内の組織で終わることなく、全市的な検討組織で取り組んでいただき、更には、介護との連携も見据え、多くの関係者、市民の声を取り入れたプランづくりをとお願いしてきましたが、現時点においても、中々、取り組みの動きが見えません。

 プラン策定作業の進捗状況はどの様な状況となっているのか、病院の現状の診療体制の改善の見通し等も含め経営状況の推移をどの様に想定されているのか、また、計画作成作業における、一般会計、市民の関わり等について、石垣市長に伺いたい。


【市長答弁】

・市立根室病院においては、これまで国のガイドラインや地域医療構想等との整合性を図りながら、持続可能な地域医療提供体制の確保を見据え、当院が地域で果たす役割や病院経営の効率化等について、検討を進めてきたところである。

・このような中、現在策定作業中の素案においては、現行の診療体制を維持する一方、看護師不足に伴う病床の休止が当分続くものと見込んでおり、収支計画では計画期間内においても厳しい経営状況で推移していくものと認識している。

・これらのことなども踏まえ、学識経験者や市民で構成する「市立根室病院財政再建対策特別委員会」での議論とともに、引き続き関係機関等との連携を図りながら、今後、議会への説明・情報提供のほか、パブリックコメントを実施し、本年度の公表に向け、取り組みを進めたい。



 

 以下は、再質問用に準備した質問事項、私の考えをまとめた資料になります。質疑自体が一問一答で行いますので、市長や管理職の発言を受けて、その場で考えを述べてますので、詳しい質疑内容については、議事録(3か月後)を見て下さい。

 持ち時間30分と制限がありますので、今回は、病院問題の再質問はできませんでした。


① 国の補助制度が縮小された場合、経営面、補う一般会計繰出金への影響は避けられないとのご答弁。令和4年度の様な6億円を超える補助金に見込めないと思いますので、その影響把握に努めていただきたい。看護師不足等により1病棟が閉鎖されており、そのか復活の目途が立たない中で、多くの収入増を見込むことは難しいと思いますので、その間の一般会計の支援はやむを得ないものと考えますが、できる限りの経営改善・改革への取り組みを続けていいただきたい。

 

② 看護師等医療従事者確保対策については、厳しい状況が続いていることも理解しました。

 看護師については、4月の102名、夜勤可能職員79名から若干ではりますが、改善されていますが、目標の120名にはまだ14名足りない状況ですので、引き続き確保対策に取り組んでいただきたい。

 

③ 根室市の看護師等確保総合対策事業・就学資金貸付制度は利用者の選択肢のなかでもおそらく上位にくる制度ですので、宣伝をしっかりすべきと考えます。おそらく、お子さんが医療職・介護職を目指している方へは伝わっていると思いすが、市民への周知なども含め、広く伝える作業、PR活動も必要と考えます。

 地域をあげて医療を守り育てる活動を続けるなかで、市民みなさんにも情報を伝え、情報提供に協力していただき、そこから看護師確保につなげることも、考えなければなりません。この制度を広く多くの方にしっていただく、チラシの制作、配布なども必要なとりくみと考えますが、いかがでしょうか?

 ※病院事業会計補正予算審査の中でこの内容について発言しました。

 

④ 医療従事者等の職場・住環境の整備も需要のテーマと考え、これまでもとりあげてきておりますが、現時点で、どの様な情報収集等取り組まれているのか伺いたい。※質疑できず。

 

⑤ 新たな公立病院強化プランの策定作業については、病院会計のなかだけの議論ではなく一般会計、更には、市民にも共に考えていただく取り組みとして進めていただきたいとお願いしてきましたが、中々、その広がりが見えません。病院内の財政再建対策特別委員会への説明のほかどの様に市民に伝えて行くのか、また、一般会計はどの様な関りをもって、計画づくに参加されてるのか、もう少し、詳しく説明していただきたい。※質疑できず。

 

⑥ 看護師不足に伴う病床の休止の影響等が収支計画に影響があり厳しい経営状況で推移する見通しとの答弁ですが、現状の看護体制等の問題の解決策として、看護師が増えないなかでの全病床活用を想定した病床区分(療養病棟)の見直しなどは検討されているのか?あくまでも、10対1看護3病棟での経営を目指すのか?病床に対する考え方について伺います。※質疑できず。



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