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文教厚生常任委員会視察について

令和8年7月22日、23日 長野県塩尻市、飯田市を視察しました。 視察の記録をまとめ委員会報告しておりますので、その内容を紹介します。


【塩尻市立楢川小中学校について】

・平成19年4月 塩尻市立贄川小学校と塩尻市立楢川小学校が統合、令和元年度、楢川中学校と共に義務教育学校化の準備を進め、令和4年に開校。

・小規模特認校(学区外からの就学が認められ、小規模校の教育的特色を生かして児童生徒を広域に受け入れる制度)であり、塩尻市内のすべての子どもが入学でき、現在生徒数は72名(地元90%、特認校7%、市外3%)。

・小規模校、義務教育学校でありきめ細やかな学び、道徳的アプローチを目指している。

・コミュニケーション重視の英語教育を小学校1年生(総合学習の枠組みの中で)から行っており(9か年の学び)、オーストラリアやイギリスとのオンライン学習にも取り組んでいる。

・学年の枠を超えた教育、地域と共に学ぶ教育として、地域に学ぶキャリア教育、ふるさと学習を行っており、地域産業である漆器づくりを学ぶ「ふるさと漆器学習」を行っている。

・PTA活動については、PTC(コミュニケーション)A活動として、地域との関係性を大切にしており、LINEも活用、放課後の部活動は卓球、吹奏楽のみで、他のクラブ活動は地域の方々が指導を行っている(部活動の地域移行、CS活動がすでに行われている)。

・職員室は、管理職を除きオープンスペース(フリー)となっており、小学校、中学校の先生方のコミュニケーションが充実、連携も進んでいる。

・児童生徒、先生方一緒に食事ができる大きなランチルームがあり、その奥に給食調理室が設けられていました。また、生徒が使う食器類はふるさと漆器学習で制作された漆塗りのものが使われていました。



※根室市においても、現在、市内すべての学校の義務教育学校化が進められており、子どもたちの学びのあり方、学校を選べる仕組みの考え方が大変参考になりました。また、地域と共に学ぶふるさと学習の考え方も参考になりました。

※根室市は学校給食設備のセンター化、民間委託を想定して準備が進められていますが、地域に皆さんが支え、食育を意識した塩尻市の取り組みも大切と感じました。


【塩尻市市民交流センター「えんぱーく」について】

・平成15年から約8か年をかけて市民が参加する会議が行われ、施設整備計画が策定され、建設着工、そして、施設オープンを迎えた市民交流センターです。(会議は200回、延べ4000人もの市民が参加)

・総事業費 約50億円、交付税参入のある合併特例債を活用。施設全体の9割を市が購入、1割は民間企業等が使用。

・施設運営面の特徴としては、図書館以外は飲食が自由(5Fのイベントホールはアルコール可)、駐車場は6時間無料(市営駐車場450台)、市役所支所機能(住民票等の発行)、区分により官民が所有・管理。

・施設の基本コンセプトは、「知恵の交流を通じた人づくりの場」。役立つ情報の提供、意欲と活動の応援、進化を目指す姿・実現することも目指す施設。

・図書館機能を最大限に活かし、図書館、シニア活動、ビジネス、子育て、青少年交流、市民活動を重点分野とし、各分野の図書の紹介、情報収集、その活用講座等図書館機能と融合したサービスを提供。

公設市民営を目指し、協動による運営の仕組みとしてサポート組織「えんぱーくらぶ」を平成21年2月に設置。個人・市民団体がこの組織にサポーター登録して、得意・関心分野に分かれ活動することとし、開館準備から開館後の活動を支えた。しかし、各団体の活動を推進する役割に加え、「えんぱーくらぶ」の運営と負担が多く、平成28年度末で、その活動を市へ移行。サポーターポイント制度や継続しているサポート活動も残っている。

・現在の市民交流センターの委託事業・補助制度として、市民営提案委託事業、市民活動支援業務委託、まちづくりチャレンジ補助事業が行われている。

・施設の利用状況としては、開館後、年間60万人台で推移、コロナ禍で落ち込むも、50万人台に回復、令和6年度大規模改修を実施。開館後の延べ来館者は、869.1万人、令和6年度までの施設視察者延べ15,371人。

・図書館機能について

 床面積:3286㎡

職員数:36人(正規職員6人、会計年度1種17人、Ⅲ種13人)

 図書収容能力:49.5万冊

 分館:8分館(小学校区ごとに支所に併設 蔵書数は8千冊から2万冊)

 ※図書館蔵書管理システムは統一したものを利用、各図書館の蔵書確認可(確認)

 貸出数:毎年度約70万冊 2024年 543,022冊 市民一人当たり 8.2冊

     指標の全国的位置(人口6万人以上8万人未満の市区)で蔵書数8位、貸出数6位

 評価:Library of the Year 2015優秀賞

地方創生レファレンス大賞2017・2018受賞

 図書館の目指すべき目標・活動等:資料との出会いの多い図書館、進化する図書館に向けた組織体制、利用者の満足度を満たす接遇、積極的な情報発信、重点事業としての本の可能性を考える「信州しおじり本の寺子屋」、「信州しおじり子ども本の寺子屋」等

 

※時間をかけて市民が参加し整備計画が策定され、コンセプトを明確にして整備された市民交流センターであり、図書館機能を中心に市が全体の9割、会議所、民間が1割を利用、管理組合もがあり、補修費用等の積立も行っています。

 

※5階建の施設で、1階:図書館、子育て支援センター、2階:図書館、交流エリア(会議室、ICTルーム、総合受付、共同オフィス、パソコンコーナー等)、3階:交流 エリア(多目的ホール、会議室、音楽練習室、食育室、授乳室等)、4階:市(観光プロモーション課、商工課)、塩尻商工会議所、歯科クリニック、ハローワーク、NOP法人、民間企業等)、5階:イベントホール、歯科医師会、テレビ松本ケーブルビジョン塩尻支社、民間企業等)となっとてり、3階には市営駐車場(450台)との連絡通路があり、市民のおもいが詰まった施設です。



※多くの市民がいつでも利用できる施設、中心市街地の賑わい創出機能が集約された施設、この施設の整備に多くの市民の声が反映され、建設準備段階、そして初期の施設運営にも多くの市民が関わる、市民参加型の施設整備・運営の考え方が大変参考になりました。根室市においても、今後、グランドデザインに基づき、北斗小学校、花咲小学校跡地の利活用、駅前の再開発の推進検討を行っていかなければなりませんので、塩尻市のこの中心市街地の賑わい創出の取り組みを参考に、市民参加、民間活力を取り入れた、計画づくりに取り組むべきと考えました。


【飯田市の公民館活動について】

 

〇飯田市の地域自治組織制度について

 

・飯田市は昭和12年の飯田町、上飯田町の合併に始まり昭和31年7村、昭和36年1村、昭和39年3村、昭和59年1町、平成5年1町、平成17年2村と合併しており、合併の都度、旧町村単位に支所と公民館が配置され、現在20地区に公民館があります。

・こうした中、住民自治の強化や行政と市民との協働の推進を市の一定の区域(旧町村単位)である地域自治組織の取り組みが行われてきた。

・更なる地域自治の拡大を目指し、令和18年度に飯田市自治基本条例が議会提案で提出され可決、新たな地域自治組織として、住民が行政の意思決定に参画しやすい仕組み、行政と住民の協働を推進するための仕組みを備えた地域住民組織制度を平成19年4月より導入。

・地域住民組織制度は、住民主体、住民・行政の協働による地域づくりを推進するものであり、地域内居住の住民すべてで構成する「地域自治区」、住民自治を基軸として地域づくり活動を行う「まちづくり委員会」、多様な住民で構成する行政の諮問機関「地域協議会」を設置。市の事務を分掌し「地域協議会」の事務、「まちづくり委員会」活動を支援する市職員を配置する「自治振興センター」を設置(行政サービス主体の市役所支所からの機能転換)。各地域自治区単位に、住民主体で総合的な地域づくりを推進するための支援策として「パワーアップ地域交付金制度」を導入し、20地区総額1億円+500万円を措置。

・ボトムアップ型の地方自治組織として再構築。

・住民の自治活動を地域で支援する行政機構として、旧村単位(15地区)に自治振興センターと公民館を併設、旧飯田地区(5地区)は市役所内に共同事務所として5地区自治振興センター設置、5地区にそれぞれ公民館を設置。

・自治振興センター(旧支所単位)に所長、保健師、公民館主事を配置、旧村15か所には一般職員も2名から4名を配置。自治振興センター職員数は107名。

※飯田市の職員数は病院を含め約1,600名で、病院を除くと850名、内107名(12.5%)が地域を担当(市民の直接窓口)。

 

・飯田市行政の特徴は、旧村単位の20地区の自治振興機能を重視した行政機構であり、市民と行政の協働によるまちづくりを支え、市民と協働できる力量を備えた職員の育成策として若手職員を公民館主事として地域公民館に配置、課長職昇任前の年代の職員を自治振興センター所長として配置。市民との協働関係を築き、実践する力の獲得等を期待する取り組み。

・20地域それぞれが計画期間、キャッチフレーズをもって基本構想を策定、様々、プロジェクトを企画、地域の協働事業等として実践。

 

〇飯田市の公民館について

・飯田に根づくまちづくりの精神は、地域住民自らが地域づくりの主役として、主体的にかかわる土壌。みずからしようとする「自治の精神」とみんなとやる「協働の仕組み。

・飯田市の公民館組織は、飯田市公民館1カ所、地区公民館20カ所、公民館分館103カ所。

飯田市公民館は、市全体の課題をとらえた事業、地域館への波及を期待するモデル事業、20地区館の連携調整・活動支援、学習相談・学習情報の提供等を行い、運営経費は全て市費。

地域公民館(20カ所)は、地区の課題や地区民の求める学習講座、文化・体育・広報・育成事業、分館活動に関する相談・支援、社会教育関係団体等に関する相談・支援、学習相談・学習情報の提供等を行い、運営経費は、市費と住民負担。

分館(103カ所)は、区の課題や区民の要求に基づく講座、文化・体育・広報・育成事業、本館活動への参画・協力、区の各種組織との連絡調整・相互協力、サークル等に関する相談・支援等を行い、運営経費は住民負担。

・公民館の運営原則は、地域中心、並列配置、住民参加、機関自立の4原則。地域に着目した学習と交流を深め、「みつける」、「つながる」、「そだてる」、「実現する」公民館活動を通じて、誇りと愛着を持って住み続けられる地域づくり・人づくりを進めことが公民館の役割。

 

以上の説明をいただいた、下記の通り、公民館活動や公民館事業を視察

・上久堅地区公民館事業として、公民館活動、取組事例について

・上久堅地区の公民館活動の事例として、上久堅を誇れるふるふるさと「最高の田舎」にしよう!をコンセプトに取り組まれたクラフトビール開発事業、食工房十三の里(とさおさと)のお弁当づくりについての立ち上げの経過や活動状況について

・竜丘公民館の組織と活動、公民館主事の実際の役割や取り組み対する姿勢、委員活動の事例として文化スタッフのとして経験、取組を通して感じたこと等について

それぞれ、詳しくお話を聞くことができました。



※ 飯田市の公民館活動が視察テーマでしたが、20か所もの地域公民館、その下に103カ所の分館があり、その運営が市民中心に行われていることに驚きました。

この仕組みのベースには、飯田市の地域自治組織制度の考え方があり、合併した町や村それぞれを大切い、地域それぞれの歴史や文化等の特色を活かし、住民主体、住民・行政の協働による地域づくりを推進する方針のもと、公民館活動が重要な役割を果たしており、体系立て整理された組織づくりのもと、地域間の連携、場合によっては、いい意味での競争があり相互に刺激しあい、地域の活性化が図られ、それがまち全体の住民参加型、顔の見える市役所づくりにも繋がっているものと感じました。

 根室市とは歴史的な背景もまったくちがいますが、今一度、まちづくりにおいて市民の果たすべき役割であったり、市職員の立ち位置(地域の中に入り込み共に活動する=顔の見える職員)等について、考えてみる必要があり、また、ボトムアップスタイルの入口は市民側からの様々アプローチであり、クラフトビールやお弁当の提供などの発想も市民側からのもの、そこに、行政も加わり、財源対策をはじめ、事業や取り組みの実現を協働で進めるスタイル、是非、参考にししたいと思いますし、行政とも協議していいきたいと思いました。

 また、飯田市の公民館が入る複合施設「ムトスぷらざ(「ヒト」「コト」「モノ」が集まる創造の場)は、中心市街地の旧百貨店の再開発・再利用であり、行政だけではなく、民間・企業も加わったなかで整備され、図書館機能と公民館機能等が設けられた施設でした。

 塩尻市の市民交流センター「えんぱーく」、そして、飯田市のムトスぷらざ、これらの整備のプロセス、市民参加のアプローチ、官民連携のスタイル等を参考に、根室市としても、グランドデザインに示されている商工会議所の移転等民間活用に関する取り組みや市街地の活性化等を意識し、施設の複合化、中心市街地の賑わい創出等をキーワードに、今後、検討する必要があるものと考えました。

以上


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