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10月定例月議会代表質問その5


(1)地域センター病院としての役割を担うための診療体制について

【質問】

 市立根室病院は市内唯一の公的医療機関であり、地域センター病院としての役割を担っており、その為の体制整備が必要です。

 この3年間、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、改めて、地域の医療体制のあり方が問われることになり、地域に必要な医療、その中で公立病院の役割・機能を最適化するとともに連携の強化、医師・看護師等の確保と働き方の改革などが求められています。

 そこで、市立根室病院の地域センター病院としての役割を担うため診療体制について、現況の課題と確保対策も含め、今後の体制について、見解を伺います。


【市長答弁】

 市立根室病院の診療体制ですが、市立病院は、これまでも地域センター病院としての機能はもとより、地域の中心的医療機関としての機能を維持するため、医師をはじめ道内医育大学に加え、東海大学からの派遣、さらには、民間の人材紹介事業者を通じた招へい活動に取り組み、常勤医19名体制で新医師臨床研修制度の導入以降で最多となっています。

 一方、薬剤師、助産師並びに看護師については、依然として目標定数に達しておらず、特に看護師については、今後も複数の退職者が見込まれるなど、体制確保は危機的な状況であると認識しており、今後の確保対策や疲弊・離職防止に向け、病院職員の意見を集約し、勤務環境改善に繋げていきたいと考えています。


【再質問その1】

 医師体制は新医師臨床研修制度の導入以降最多ということであり、これは、これまでの様々な医師招へい対策によるものであり、担当されてきた皆さんのご尽力に感謝したいと思います。

 また、この体制の維持も大変難しい課題であることは十分承知おります。地域医療を守り育てる市民ぐるみの取り組みの継続が必要です。

 そうした中で、ご答弁のありました、薬剤師、助産師、看護師の確保対策、特に、看護師の確保対策が危機的な状況とのことですが、

・看護体制の目標値と退職者等を見込んだ人員不足の実態

・看護師が不足することによる診療上の影響や施設基準(経営に直結)の問題

について、どの様に想定されているのか?伺います。


【答弁】 ●看護師の人員について

 市立根室病院は、現在の外来診療及び3病棟135床を維持・継続するためには、看護師120名体制が必要です。 本年4月1日時点では、准看護師や会計年度任用職員を含め全体で105名であり、このうち夜勤可能な職員は84名ですが、今年度末には全体で90名程度、うち夜勤可能な職員は70名程度となる見込みです。

●看護師不足による診療上の影響等について

 現時点では、新型コロナ患者の受入れ時と同様の入院患者数制限を加えながら、10対1の看護基準は維持する方向で院内協議を進めており、その他、病棟への事務補助者を配置するなど看護師の業務軽減の手法を併せて検討しておりますが、経営面に与える影響は、入院収益を中心に多額になると考えております。


【再質問その2】

 これまで看護師確保対策として具体的にどの様な対応・措置したのか。また、疲弊・離職に繋がる現状の実態をどの様に押さえているのか。更には、今後どのような形で働きやすい環境、勤務改善に繋げていくのか、見解を伺う。。


【答弁】

●看護師の確保対策等について

 これまで道内ほぼ全ての看護師養成学校へ毎年訪問し、Iターン者への修学資金貸付制度や情報収集制度など当院の特色をPRするほか、近年では札幌や東京のほか九州などで開催される合同就職説明会への参加、更には民間紹介会社(ナースパワー)への登録など、看護師確保対策を行ってきた。

●看護師の疲弊・離職について

 看護の現場からは、マンパワー不足に加え、患者容態の変化等に伴う治療指示の多様化などが疲弊の原因として挙げられている。今後、院内協議を進め、業務の見直しやタスクシフト、更には確保対策の強化を図り人材確保に努めたい。

 

意見として】

 医師招へい対策同様に医療従事者全体の確保対策、更には、働き方改革を見据えた環境改善への取り組みが必要であり、市民にその実態・状況を伝えるなど、まちをあげての取り組みが必要と考えます。 

 

(2)経営強化、収支状況改善と一般会計繰出金圧縮の見通しについて

【質問】

 市立根室病院の経営は、この3カ年、これまで経験したこともない新型コロナウイルス感染症対策による入院・外来患者の診療制限や感染リスクと闘いながらの診療と大変な状況であったと思います。

 そうした中で経営強化、収支状況の改善等経営に関する議論・改革も並行して取り組み続けることは大変なことではありますが、石垣市長には病院管理者・経営者として、その責務が求められるものと考えます。

 病院経営の収支状況の目安として、一般会計繰出金、特に、市が独自で定めた基準外繰出項目の圧縮が分かりやすいと思いますので、その対策について、今後の市立根室病院の経営強化、収支状況の改善策と一般会計繰出金圧縮の見通しについてのお考えを伺います。


【市長答弁】

 市立根室病院の収支状況改善などの見通しが、本年も新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、コロナ専用病床の確保による一般病床数の減や院内における感染拡大防止対策として実施中の診療の制限などによる影響により、依然として厳しい経営環境にあるものと認識している。  今後の収支見通しについては、材料費等の経費節減など経営改善に向けた取組みを継続するとともに、現時点で、入院・外来患者数、入院・外来収益ともに昨年同時期を上回っていることから、収支均衡分を含む一般会計繰出金への影響が一定程度低減されるものと見込んでいる。  一方、来年度以降は、病床確保料を始めとする国の新型コロナ感染症関連の補助制度等の取扱いが未定であり、更には、国が求めるコロナ専用病床の確保のほか、厳しさを増す看護体制の維持など、経営面や人材確保などに与える不確定要素が多いことから、これらの状況を踏まえると大変厳しい経営状況が続くものと考えますが、地域に必要な医療を提供するため、市立病院をしっかりと支えて参ります。


【再質問】

 新たに策定する「公立病院経営強化ガイドライン」の策定にあたっても、一般会計の支援のあり方の整理が必要ですし、公営企業法に基づく基準内繰入を目指すことが可能なのか、難しいのか、難しいとするならば、その要因は何なのか、病院自らの努力、地域医療を守るための更なる国等の支援策が必要なのか等、経営課題をより分かりやすく整理することはできないのか?

 15億から20億円近い繰出金、その財源に、毎年度10数億円のふるさと応援寄附金を財源充当しつづける状況について、市民の理解を得る取り組みが必要です。

 ご答弁ありました、市民との意見交換や情報提供のあり方について、是非、早期に検討いただきたいと思いますし、同時に、これまで頑張ってこられた、医師をはじめ病院スタッフに対しても経営状況の見える化をしていくことが、病院管理者である市長役割たと思います。


【答弁】

 市立根室病院は、地方公営企業として、独立採算性の堅持が基本であり、自立した経営基盤の構築と収益性を高めることが何より重要であるものと認識している。

 一方、収支均衡分を含む基準外繰出金については、市内唯一の総合病院であり、市民が必要とする医療を提供する責務があることから、一定の基準外繰出金は必要であり、地方公営企業法に基づく基準内繰入金に限定した運営は極めて厳しいものと考えている。

 繰出金の財源について、計画的に充当していく必要があるものと考えますが、市立病院が地域の中心的医療機関としての機能を維持するため、引続き、全国市長会などと連携し、国等による必要な財政支援を要請してゆく。

 また、議員から話のあった経営状況の見える化についても、院内での共通認識を図り、市民の皆様に対し、適切な情報発信に努めて参りたい。

 

(3)市民参加で進める新たな「公立病院経営強化ガイドライン」の策定作業について

【質問】

 公立病院の経営に関しては、令和5年度までに、新たな「公立病院経営強化ガイドライン」の策定が求められています。

 これまでも、この計画策定には、市民の理解が得られるような組織体制での取り組みが必要と述べてきました。

 国からも改革プランの策定に当たり、市民の理解を得る取り組みがもとられておりますので、早急に、仕組みづくりを検討すべきど考えますが、市長の見解を伺います。


【市長答弁】

 「公立病院経営強化ガイドライン」では、策定の各段階で住民理解を得るように努めることが求められておりますが、その手法については、地方公共団体が地域の実情に応じ、主体的に決定すべきものであるとの見解が示されていると認識している。  このことを踏まえ、学識経験者や市民で構成する「市立根室病院財政再建対策特別委員会」において、今後、関係機関等との連携を図りながら、必要な調査や協議を行うこととしている。  今後も、市立根室病院が地域で果たす役割や経営状況について、議会、市民皆様のご理解とご協力を得ることは大変重要であると考えており、意見交換や情報提供の在り方など、先進事例の調査研究等に努めながら、令和5年度の公表に向けた策定作業を取り進める。



市立根室病院・病院ホームページの写真です。


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