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12月定例月議会一般質問その3

3. 気変動問題への対応と未来に残すべき景観を守るための取り組みについて

(1)根室市におけるカーボンニュートラルへの取り組みと再生可能エネルギーに対する基本施設について

【質問】

 我が国は、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。北海道においても2050年「ゼロカーボン北海道」に向けたチャレンジがはじまっています。

 また、国の第6次エネルギー基本計画においても、2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題とその対応が示されており、温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の取り組みを重要として、2030年までに再生可能エネルギーを現状の24%程度から44%程度までを引き上げることが目標とされており、その中心が太陽光発電となっています。

 この様な、国、北海道の取り組みに対し、根室市におけるカーボンニュートラルへの取り組みをどの様に位置づけておられるのか、また、その中で、再生可能エネルギー施設の市内における設置に関してどの様な基本姿勢を持たれているのか、課題認識も含め、市長の見解を伺います。




【市長問弁】

当市におけるカーボンニュートラルの取り組みとその位置付けについて

 世界各国において、温室効果ガス削減の取組みが加速し、国・北海道をはじめとする都道府県やゼロカーボンシティを表明する700を超える市区町村で、脱炭素社会の実現に向けた取組みが進められている中、「脱炭素経営」を積極的に推進する民間企業も年々増加していることからも、カーボンニュートラルの取組みは、世界を取り巻く大きな流れと認識をしている。

 当市の現状は、市町村に義務付けされている「地球温暖化対策推進実行計画(事務事業編)」のもと、市の事務事業による温室効果ガス削減の取り組みを進めている状況。

 今後においては、地域の特性や自然環境などを踏まえた再生可能エネルギーの導入、省エネや資源循環、生産力の向上と持続、食品ロスなど、幅広い分野の活動において、CO2削減に資することが求められていることから、市民、企業・団体の取組みの指針となる実行計画(区域施策編)の策定が必要と捉えている。


再生可能エネルギー設置への基本姿勢について

 国は、第六次エネルギー基本計画の中で、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、2030年に向けた政策対応として、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、地域との共生を図りながら最大限の導入を促す方針。

 根室市エネルギービジョンにおいても、「再生可能エネルギーの活用」と「省エネルギーの実施」により、自然と共生する環境に優しいまちを将来的な目標としている。

 再生可能エネルギーの導入拡大を円滑に進めるためには、地域との共生を図ることが重要であり、安全面、防災面、景観や環境への影響、将来の廃棄に対する懸念などの課題がある。

 市民、事業者を含めた、地域全体における温室効果ガスの排出抑制の推進には、根室市地球温暖化対策推進実行計画(区域施策編)の策定が必要と捉えており、庁内で組織する、本実行計画推進本部において検討する。


【再質問・確認】

 再生可能エネルギーの導入拡大を円滑に進める「根室市地球温暖化対策推進実行計画」の策定の見通しを含め現状の検討状況について、説明いただきたい。


【部長答弁】

 市では、R4年3月に副市長を本部長とする「根室市地球温暖化対策推進実行計画推進本部」を立ち上げ、これまで 2 回の本部会議を開催し、その中で「根室市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」を本年8月策定した。

 また、5月には根室市創生有識者会議委員による「カーボンニュートラル」に関する講演会を開催し、「環境変化や社会的変化を意識しないと事業計画に結びつかない」などのアドバイスをいただいた。

 今後、地域の自然的、社会的条件に応じて温室効果ガスの排出量削減等を推進するための総合的な計画となる「実行計画(区域施策編)」の策定に向け、再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの促進など脱炭素の取り組みが、地域に及ぼす影響や課題などについて整理・検討する。

 

(2)豊かな自然環境を守るための取り組みについて

【質問】

 再生可能エネルギー施設として根室市においても太陽光パネルや風車がいたるところに設置されています。

 根室10景に指定されているエリアも例外ではありませんし、JR花咲線沿線にも目立ってきました。

 個人的には桂木の海岸線が太陽光パネルで見えなくなったのが残念です。

 平坦ですが、海と広がる大地が、根室の売りであり、大切な観光資源でもあります。

 この誇れる素晴らしい景観を未来に残してゆくことも重要テーマであると考えますが、景観を守るための取り組みの必要性について、市長の見解を伺います。


【市長答弁】

 当市でも、再生可能エネルギーの導入拡大が進んでいるが、根室独自の自然環境や景観を未来へ繋いでいくことは、私たちの使命であると考えている。

 このため、当市では、国が定めるガイドラインや市の風力発電施設建設に関する指導要領により、地域住民等への説明会の実施、自然環境や景観などに配慮した適切な場所への設置などについて指導を行うなど、その対応に努めている。

 これまでも市の指導要領に基づき再生可能エネルギー建設事業者に対して指導を行った結果、住民合意に至らず事業を断念した事例もあり、今後も十分な住民説明を求めるなど、適切に対応する。

 

(3)同時進行となると再生可能エネルギーの活用と環境保全の両立・調和のあり方について

【質問】

 地球規模の課題である温室効果ガスの削減への取り組みも進めなければなりませんし、その為の太陽光パネルの設置等も避けて通れません。

 しかしながら、同時に地域の景観保全も重要なテーマであり、この両立と調和を保つためのマネジメントが必要であり、その役割を担うのは、行政、即ち、市長であると考えます。

 第6次エネルギー基本計画においても、再生可能エネルギーについては、地域の理解を得ること、地域との共生や事業規律の強化等を克服すべき課題と位置付けています。

 地域の理解を得るための安全対策や事業の透明化として発電事業の開始から終了まで一貫し適正に行うことも求められています。

 更には、2016年に改正された「再エネ特措法」では条例を含む関係法令を守ることを認定基準として設け、住民との適切なコミュニケーションについても努力義務と位置付けられました。

 その実効性を高めるため、環境や景観といった地域の公益を守るため、地方自治体が条例やガイドラインを定めるケースも増えています。

 この様な全国的な動きも踏まえ、根室市としては、同時進行となると再生可能エネルギーの活用と環境保全の両立・調和のあり方についてどの様に考えているのか、また、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する条例制定を含め根室市独自のガイドラインの検討も必要と考えますが、市長の見解をお伺います。


【市長答弁】

 令和3年度に国が公表した自治体アンケート調査によると、自然環境や景観の保全を目的として、再生可能エネルギー発電設備の設置に抑制的な条例の制定が増加傾向にあり、道内でも一部の町村で類似する条例が制定されていますが、民間の土地活用に制約をかける私権の制限といった側面もあることから、国や他自治体の動向を注視しながら、調査・研究が必要と考えている。

 再生可能エネルギー施設の建設にあたっては、地域住民の様々な懸念事項を踏まえると、今まで以上に事業者と地域住民とのコミュニケーションが重要と考えており、その実効性を高めるため、風力発電施設に加え、太陽光発電施設についても明確化を図るなど、市の指導要領の見直しを検討し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の両立と調和に努め取り組む。


【意見等として】

 根室市としてもカーボンニュートラルへの取組が必要ですが、と同時に考えなければならない根室の景観を守るための取り組みについて、両方の視点から、市長のお考えを伺いました。

 どの様に両立・調和をとり課題解決に取り組むべきか、大変、難しいテーマでると考えますし、判断もまた慎重にならざるを得ないものと思っております。

 条例制定に関しては、民間の土地活用に制約をかける私権の制限といた側面もあることから国や他自治体の動向を注視し、調査・研究が必要とのご答弁ですが、この難しい側面をしっかり検討すること、その検討を急ぐべきではないかと考えますし、守るものが手遅れになっては、後手にまわっては、取り返しがつきません。

 壇上でも述べましたが、国の第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーに関してはコスト低減、地域の理解を得てさらなる導入拡大を目指すとし、その克服すべき課題として地域との共生・事業規律の強化をあげています。

 地元の理解の促進に向けた取り組みとして、環境や景観といった地域の公益を守るために自治体が条例やガイドラインを定める例が大幅に増えており、国としても、各自治体の実情に応じた条例の制定を後押しするとしています。

 根室市としても、国のこの様な考え方を基に、地域の実情に応じた、根室に相応しい条例等の整備の検討を急ぐべきと考えますし、ご答弁のあった市の指導要領の見直しだけでは、市民の理解や協力を得ることは難しく、市民にはこの課題が伝わらないままに進んでしまうことになります。

 市長のご答弁のとおり、この難しいテーマ、地域住民の様々な懸念を考えると、これまで以上に事業者と地域のコミュニケーション重要であり、カーボンニュートラルの実行性を高めるため取り組みもまた、同時に、重要です。

 そのかじ取りを担うのが石垣市長であり、市民に伝える、市民と共に考える、そして、市民のおもいを根室の未来に繋いでゆく、その大事な判断をしっかりしていだき、リーダーシップを発揮していただきたい。



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