地域医療における市立根室病院の役割と課題についいて/10月定例月議会一般質問
- toshiharu honda
- 20 時間前
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2.地域医療における市立根室病院の役割と課題についいて
(1)自治体病院の厳しい経営状況を踏まえた市立根室病院の経営について
【質問】
全国自治体病院協議会が行った、市立病院の様な自治体が運営する、公立病院の2024年度決算の調査結果が公表されましたが、調査に対して回答のあった自治体病院の(全体の8割を超えた)86%が経常赤字、95%が医業赤字を出したという衝撃的な経営状況になっていることが分かりました。
その要因は、診療報酬を上回る人件費の増や光熱水費や診療資材の高騰により、医業収入増を上回る医業費用の増、更には、自治体病院が感染症指定医療機関、災害拠点病院、救命救急センターなどの不採算分野を抱えている点としています。
市立根室病院も、一市単独で2次医療を担う地域センター病院、24時間救急を行う救急告示病院、そして災害拠点病院としての機能を担ってます。
診療報酬に関する条件は全国の自治体病院と同様ですし、加えて、現在、看護師不足が原因で入院病棟を一病棟閉鎖していることから、経営的には大変厳しい状況が続いています。
そこで、自治体病院の厳しい経営状況を踏まえたなかで、市立根室病院の経営について、どの様な対応、対策を想定されているのか、開設者である市長のお考えを伺います。
【市長答弁】
・総務省が9月30日に公表した令和6年度地方公営企業等決算の概要では、全国844の公立病院全体の経常収支は3千9百52億円の赤字、そのうち赤字となった病院は703病院で全体の83.3%を占め、赤字幅、赤字病院の割合はいずれも過去最大となっている。
・国はその主な要因を人件費の増加や医薬品などの価格高騰により経営状況が悪化しているものと捉えています。
・市立根室病院においても、人件費や診療材料費など物価高騰の影響については全国的な状況と同様であり、大変厳しい病院運営が続くものと認識している。
・看護師など医療人材の確保を始め、経営強化プランに掲げる各種取り組みを進めるとともに、今後とも安定的な地域医療サービスの提供が確保・維持できるよう、病院開設者の責務として
事業管理者と協力し、必要な財政措置等について、全国自治体病院協議会など医療関係団体や北海道市長会等と連携のうえ、国に対し所要の財源対策を強く要請する。
再質問1 病院経営について(意見として準備)
公立病院の厳しい経営実態が明らかになっており、市長ご答弁のとおり、国に対して財源対策の強化を求めなけれならないと思いますし、加えて、次の診療報酬改定には、収支バランスにしっかりと配慮した単価設定の検討も求めなければならないものと考えます。
現在は、市立根室病院は、経営強化プランに基づき、経営改善に取り組んでいるとのご答弁ですが、医師・看護師をはじめとする医療従事者確保対策が厳しい状況であり、1病棟の再開は厳しい状況ですので、一般会計からの繰入に頼らざるを得ません。
今後、20年間、毎年度20億円の繰出を想定した基金積立を発表した、石垣市長の地域医療を守るという覚悟を、私は感じておりますが、20年間支える姿勢と同時進行で、病院自らの経営改善への取り組みを推進しなければならないものと考えます。
市全体の課題として、全市的な組織、市民参画型の組織をもって、市民の理解と協力のもと、市民に愛される病院、市民のための病院運営を進めるべきと考えます。

(2)地域医療に対する市民ニーズの把握と提供すべき医療の充実について
【質問】
選挙期間中、「市立病院で治療が受けられず、釧路や札幌まで治療に行かれたという話や手術の後のリハビリで市内に療養病床がなく、そのまま、釧路で行わなければならず大変だった。」と聞き、改めて、地域で提供する・できる医療に対する市民ニーズの把握、生まれ育ったこのまちで、安心安全に暮らしつづけるための医療・介護体制の充実への取り組みが必要と感じました。
市として、医療に対するる市民ニーズをどのように把握されるのか、市民が望む医療とその提供の可能性について明らかにする作業を急ぐべきと考えますが、市長の見解を伺います。
【市長答弁】
・市民が地域で安心して暮らすためには、身近で必要な医療や介護が受けられる体制が重要と認識している。
・医療体制を地域に会った形で整備するためには、市民の医療ニーズを的確に把握することが不可欠であり、根室市としては、まず医療・介護の現場の声を丁寧に聞き、課題整理を進める考えである。
・これらの取り組みを踏まえ、今後は、根室圏域地域医療構成調整会議や在宅医療連携推進会議等を活用し、療養病床やリハビリ機能、在宅医療の体制整備に関する情報収集と共有を図りながら、実行性のある体制づくりに努める。
再質問 その2 地域医療のあるべき姿の検討を急ぐべき(確認事項として準備)
北海道が策定した地域医療構想において、どのような区分の医療(高度急性期、急性期、回復期、慢性期等)が、どの程度必要 かという「医療の需要」を推計しており、根室管内は、高度急性期20床、急性期97床、回復期236床、慢性期144床と示されています。根室市はどの様に割り当てられることになるのか?
こうした、北海道全体の推計をもとに、地域に必要な医療、提供すべき医療について、課題整理も含め、取り組むべきであり、同時に、市民の理解と協力を求めるさ作業も必要です。
市立病院では8月末をもって地域包括ケア病床を廃止していますが、131床プラス・感染症病床4床をどの様に活用していくのか、市立病院の運営・経営の問題と連動するテーマですが、根室市として、北海道の構想を踏まえつつ、どの様な体制を構築すべきか、早急に検討すべきと考えますが、ご答弁のスピード感でよいのか?