令和6年9月定例月議会・一般質問(病院問題)
- toshiharu honda
- 2024年10月9日
- 読了時間: 12分
更新日:2024年10月16日
病院経営における地域課題と解決のための取り組みについて
病院経営については6月定例月議会でも取り上げておりますが、20億円を超える一般会計支出金の圧縮が難しい状況化に危機感を感じておりますので、今定例月議会におきましても、視点を変え質疑をさせていただきたいと思います。
6月定例月議会において、石垣市長からは、地域医療を守り続けることは、市民が安心して暮らし続けるための最優先施策であり、医療人材の充実を図りながら、市立病院の医療サービスや経営状況など、適切な情報発信に努め、更には、安定した医療提供体制を維持するために必要な財政措置などについて、国に要請して行くとご答弁をいただいところです。
この最優先施策の推進のためには、まずは、病院の経営状況の詳細分析・経営評価が必要と考えます。
(1)経営状態の類似団体との比較とその評価について
【質問】
3月に示された「市立根室病院経営強化プラン」がベースなるもとは考えますが、改めて、現状の経営状態をどの様に分析・評価されているのか、総務省から示されている直近の病院事業決算状況・病院経営分析比較表の全国平均、類似団体平均等との比較も含め、現状評価について見解を伺います。
【市長答弁】
・総務省が公表した令和4年度における病院運営の収支状況を表す指標によると、経常収支比率については、単年度の収支が黒字であることを示す100%以上が望ましいとされいる。
・全国平均値103.3%、類似病院平均値で104.5%となっているが、市立根室病院は100.0%であり、類似病院等との比較では低水準で推移している
・これらの主な要因は、市立病院はその立地条件や地域の不採算医療を担っていることなどによるものである。
・本年3月に策定した「市立根室病院経営強化プラン」の着実な推進などにより、今後とも持続可能な病院運営を図り、地域に必要な医療を安定して提供できるよう努める。
【再質問要旨】
・総務省が公表している病院運営の収支状況について、単年度収支についてご答弁いただきましたが、気になる評価項目が幾つもあります。
統計指標では医業収支比率 類似団体 80.10% 市立根室病院 59.00%
他会計繰入金経常収益比率 類似団体 15.00% 市立根室病院 24.40%
他会計繰入金医業収益比率 類似団体 20.80% 市立根室病院 43.00%
職員給与(医業収益比率) 類似団体 67.00% 市立根室病院 77.90%
材料費 類似団体 18.20% 市立根室病院 28.30%
経費 類似団体 28.80% 市立根室病院 48.80%
外来入院患者比率 類似団体 190.40% 市立根室病院 420.50%
・この様な統計指標等総務省から示された経営に関する数値をしっかり分析され、現状の病院の課題整理、改善目標を設定する作業に活かす取り組みも必要と考えますが、院内における情報共有のありかたも含め、現状どの様な扱いをされているのか、改めて伺います。
・また、幾つか述べた評価指標に対する、病院としての見解・評価についても伺いた。
【答弁】
・経営指標の病院内における情報共有や評価などについては、院内での運営会議や病院改革プロジェクト会議などで適時、情報共有を図っており、各指標についても病院運営の参考として活用している。
・総務省から公表される各経営指標については、市立病院は本業である偉業収益に多くを見込めないことから、類似団体との比較し、医業収支比率をはじめとして総じて厳しい状況となっている。
・この厳しいい状況は、市立病院の立地条件や地域の不採算医療を担っていることによるもであるが、これらの指標の改善も含め経営強化プランの着実な推進などにより、持続可能な病院運営を図り、地域に必要な医療を安定的に提供できるよう努めた。
※意見として
総務省の資料は、全医療機関の情報が公開されていますので、経営改善が進んでいる町立中標津病院の状況等との比較も可能です。是非、経営改善が進んでいる医療機関との比較分析等も行っていいただきたい。
(2)一般会計支出金に対する考え方と現状評価について伺います。
【質問】
現状の基本的な考え方は、地域医療を守り続けること、そのために病院事業会計の単年度収支の均衡を図るために必要な費用について、公営企業法に基づく各種基準に基づく支出金に加え、根室市独自の基準外の支出金として、収支均衡のための補助金、更には、令和元年度より企業債元利償還金等の基準分の残り、裏負担分も組み込まれていすが、20億円を超える一般会計支出金の推移をどの様に捉えておられるのか、支出金に対する市としての基本的な方針、並びに、今後の見通し等も含め、現状評価について、市長のお考えを伺います。
【市長答弁】
・市立病院は市内で唯一の急性期入院機能を有する総合病院であり、市民が必要とする医療を守り提供する責務があることから、今後においても、収支均衡分を含む基準外繰出金については必要であり、地方公営企業法に基づく基準内繰入金に限定した運営は、極めて厳しいものと考えている。
・しかしながら、市立病院は地方公営企業として、独立採算性の堅持が基本であり、自立した経営基盤の構築と収益性を高めることが何より重要である。
・経営強化プランの計画期間中は、これらに掲げた経営効率化や人材確保に向けた各種取り組みの着実な推進などにより、基準外繰入金の圧縮に向けた取り組みを、並行して進め、引き続き、市立病院をしっかりと支えていく。
【再質問要旨】
・市内唯一の急性期入院機能を有する総合病院であり、その医療を必要そる市民の命を守るための医療の提供は必要であり、基準外繰入金も含めその支出は否定はしません。
・一方で、基準内、基準外を含めその繰出の推移の理由を明らかにしておくこと、加えて、圧縮すべき項目については、目標設定をすべきでだと思います。
・基準内繰入も、平成30年度と令和6年度予算を比較すると3億2千万円も増えていますし、基準外の収支均衡を図るための繰出金も、令和6年度予算額はこの10年間で最も多く8億円近い状況、令和元年度からは新たな基準外項目も加えられています。
・病院経営を支えるこの取り組みについて、その内容、繰出基準などのルールも含め、どの様な状況が実現できれは、それぞれの項目の圧縮が可能なのか、明らかにしておくことも必要と考えますが、この点どの様に考えておられるのか?
【答弁】
・市立病院の経営状況は、昨年4月以降、看護師不足に伴い2病棟107床での病院運営となり、今後においても市立病院を取り巻く経営環境は、一層厳しい状況が続くものと認識している。
・このため引き続き看護師体制の充実に努めながら、休止病床の再開を目指す。
・これらの取り組みなどにより経営基盤の強化及び収益性をたかめることで、収支均衡分を含め基準外繰入金の圧縮を図りながら、必要な医療サービスの提供とのバランスを見極めつつ、適切に対応したい。
(3)診療体制の強化の必要性についていて伺います。
【質問】
6月定例月議会の質疑においても、人材確保対策の必要性について質疑をしておりますが、石垣市長からは、地域の中心的医療機関としての機能を維持し、市民の命と健康を守るため、職場環境の改善に努めるとともに、医師をはじめ医療従事者の確保対策に取り組む旨のご答弁がありました。
これまでも、医療従事者の確保対策については、様々な取り組みが行われてきたものと認識しておりますが、現状を見ますと、医師の確保対策に加え、看護師の確保対策が大変重要なテーマになっています。そこで、今回は、この看護師確保対策に絞り、質問をさせていただきたいと思います。
看護師不足により、既に病棟閉鎖となっておりますし、経営改善に必要な各種診療報酬の加算のためにも看護師配置が必要になりますので、看護師確保対策は病院経営に直結する最重要課題・テーマでもあります。
将来的には人口減少問題もあり、全国的に看護師不足が懸念されるなかで、選ばれる病院を目指した取り組みが必要です。
その為にも、看護師のライフデザインを考えた働き甲斐のある職場づくりに取り組むべきと考えますが、これまでの取り組みをどの様に評価分析されているのか、また、今後、選ばれ病院となるためには、どの様な取り組みを展開されるのか、また、必要なのか、市長のお考えを伺います。
【市長答弁】
看護師の確保対策について
・地域医療を守るためには「人材確保対策」が最も重要と捉え取り組んでいる。
・昨年度から実施している「看護師等確保総合対策事業」をはじめ、市立病院においては、
医師や医療従事者の声を聴きながら、働きやすい職場環境づくりに努めている。
・このような中、市立病院では、看護師養成校への訪問や民間企業主催の就職説明会へ参加するなど人材確保に取り組んでおり、現在内定している来年度の採用予定者11名のうち、5名が市外出身者となっており、職場環境や病院独自に設けている修学資金貸付制度などについて、学生から評価された結果と考えている。
・今後も、多様な価値観や将来像がある中、個々の事情に即してパートタイムや夜勤免除での勤務を可能にした会計年度採用など、看護師のライフデザインに配慮しながら、引き続き働きやすい職場環境づくりに取り組み、看護師確保対策を進める。
(4)経営改革推進のための組織と今後の取り組みについて伺います。
【質問】
6月定例月議会でも、20億を超える一般会計の繰出が続き、その改善・改革が難しいとすれば、経営状況の詳細分析・経営評価などをアドバイザー等専門家の力をお借りする等の取り組みも必用と述べました。
様々な視点からの経営改革が必要ですが、現状を考えますと、人材確保対策が一番重要かつ迅速な対応対策が必要なポイントと考えます。
医療を担う人材が不足すれば、必要なサービスの提供ができなくなります。病棟閉鎖もその一例です。
サービスの低下は経営の悪化につながります。だから、改革が必要、これは経営面からの考えですが、もっと大切な視点は、必要なサービスの提供ができないことは、市民サービスそのものの低下、地元での治療ができず、他都市で治療することになれば、当然、家族の負担も増えますし、また、ベットがあっても治療をうけることができない状況、その被害者は市民です。
これまでも、経営改革推進のための組織の在り方(全市的な組織の必要性)については、述べてきましたが、現状分析をしっかりされ、課題の整理、危機感をもって改革への取り組みを推進すべきと考えますし、そのための新たな組織、更には、財源対策も必用になるものと考えますが、市立根室病院の経営改革推進のための新たな組織と今後の取り組みについて、市長のお考えを伺います。
【市長答弁】
市立病院の運営に当たっては、これまで開設者としての責務を果たすとともに、前管理者が退任してからは、私が管理者の役割を果たすべく、これまで以上に院長、副院長をはじめ、病院職員と連携を図るよう努めてきた。
・こうした中、看護師確保については、全市的な課題と捉え、修学資金貸付制度の拡充などに取り組んでおり、市立病院独自の確保対策や経営改善については、院長にその対応をお願いしながら進めている。
・今後も情報共有を図りながら取り組みたい。
【再質問要旨】
今後の人口減少社会を見据えたときに、看護師のなりて不足が全国的な課題となり、少ない人材から選ばれる病院であるための取り組みをしっかり組み立て、人材確保に努めることが重要であり、早急に、より具体的かつ戦略的な取り組みが必要であり、そのために組織づくりも急がなければならないと考えます。
看護師不足に対する対策として以下様な取り組みが必要と聞いているが、
・看護のライフデザインを考えた、働き甲斐のある職場
・認定看護師、特定行為研修終了看護師の増加
・男性看護師の雇用
・給与や研修体制の充実
・食堂や休憩室仮眠室等労働環境の改善
・院内保育の充実
・修学資金貸付制度の更なる充実
・職員住宅の確保と住宅手当制度の充実 ※これまでも必要性はのべてきた
・夜間勤務回数の削減
・看護補助者の雇用増(場合によっては外国からの看護補助者の雇用検討)
・最新の労働負担軽減ツールの導入等による労働負担の軽減
・管理職に対する新たな手当の支給
これらの取り組みの必要性をどの様に考えているか伺う。
【答弁】
・市立病院では、平成25年度に「看護師及び医療技術者等確保対策プロジェクトチーム」を設置し、現在では「病院改革プロジェクト」において、給与や労働環境の改善、研修制度の充実などについて検討・実施している。
・現在の看護師不足は、地方のみならず都市部においても顕著であり、人材確保競争が一層厳しい状況になる。
・院長、副院長の先んじた取り組みもあって、一定の人員確保があって一定の人材確保ができているものと考えている。
・今回、提言のあった様々な項目についいては。既に実施しているものや調査委検討中の項目もありますので、院長とも情報共有を図りながら、必要な項目については取り組みたい。
【再質問要旨その2】
・一層深刻化する看護師不足問題について、早急かつ組織的に、そして、財源対策の裏付けをもって、石垣市長が先頭にたち、全市的な組織で、取り組むべきと考えるが、見解を伺う。
【答弁】
・先週、院長、副院長をはじめ市内医師会の方々とこれからの地域医療について、医療懇談会を開き、看護師など医療従事者の確保・定着対策をはじめ、市内医療機関の抱える課題などについて意見交換をした。
・先生方からは、様々な意見があった。特に、共通する課題として看護師不足による厳しい病院経営を強いられているとのことから、改めて、人材確保対策が最も重要であると認識した。
・今後も市立病院を含め市内医療機関の看護師確保対策について、将来の地域医療の姿を描きながら、しっかり議論し、市民が安心して健やかに暮らせるよう取り組みたい。
【意見等として】
地域医療を守り育てるための、それぞれの役割の再確認、そして、市民参加の取り組みも改めて考えなければならないと考えます。患者・家族からのクレーム対応、窓口における接遇の在り方等々様々な視点からの課題解決への取り組みが必要であり、常に、それぞのの役割の視点からのチェックが必要であり、様々な問題点を、早急に解決する組織的な取り組みも重要であり、是非、その取り組み進めていいただきたい。
根室市Facebookページより

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市立根室病院では職員採用試験を公募中です!
新年度採用募集【令和7年4月1日 採用】
【募集職種】
■薬剤師 2名程度
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【試験日程】
令和6年8月31日(土)
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【受付期間】
令和6年8月23日(金)まで
問合先
市立根室病院 医師・医療人材課
TEL:0153(24)3201番 内線2319
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